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2006.08.19

阿佐ヶ谷デビュー:その1。

Hitoyasumi今週はついに念願の「阿佐ヶ谷」に飲みに行ってきました。
目指すお店はaiaiさんのブログで紹介されていた「善知鳥」(うとう)というお店です。
電車を降りると駅前にロータリーがあり、線路沿いに商店や飲み屋が連なるという、中央線沿線にありがちな風景がひろがります。さっそく「スターロード」と書かれた飲み屋街に足を踏み入れます。
うなぎ、焼き鳥、スッポン、バー、無国籍料理と、なんでもござれの頼もしい飲み屋街です。
人が多すぎたり、ポン引きの兄ちゃんがいないのも◎。
目指す「善知鳥」はわりと奥の方にあり、19:00ちょうどに店の前に到着しました。
しかし、店の前は暗く、暖簾も出ていません。

「あれ~?臨時休業なのかなぁ?」

しかし店内にはウッスラと明かりが灯っているようだったので、今日はまだ開店していないのだと判断。
とりあえず他の店を見て周ります。
決して大きな飲み屋街ではないものの、個人経営で、”最小限の守るべき何か”を守っているようなお店が多いようです。

そして選んだのは「一休み」というお店。
比較的新しそうですが、店構えや規模から考えて、いわゆる酒と一品料理のお店であることがすぐにわかります。
メニューの一部が外に張り出してあり、明朗会計であると同時に、どんなものが置いてあるのかがわかります。
このお店を選んだ決め手の一つは暖簾がスバラシイこと。
決して派手ではないものの、手の込んだデザインです。
暖簾にこれだけ力が入っていれば期待できます。
そして二つ目は、外のメニューに日本酒”獺祭”(だっさい)があったことです。

ガラガラ・・・

引き戸をあけて入ると、L字型のカウンター席のみのお店です。
カウンターの向こうには女将さんが一人。

私「エッと、ビールをお願いします。」

お店が新しいということもありますが、店内は明るく清潔です。
短冊状のメニューには価格も明記されている。
客は他に無く、ベテランの女将さんからは、どこか上品なオーラがただよっている。
一見普通のオバチャンだけど、多分若い頃は銀座のママさんだったか、あるいはどこかで有名な料理屋でもやっていた人にちがいない。今は引退して半分趣味でこのお店をやっているのかもしれない。行儀の悪いことなんかしたら叱られそうだ。(と、勝手な想像)

いずれにしてもちょっと気合を入れてかかろう。

ビールといっしょに出された突き出しは、”アワビの肝を湯がいたもの

ホレ来た!ただ者ではないゾ、この店は。
(お通しに力が入っているお店なら絶対に良い店だ)

アワビの肝は大好き(食べたのは生涯で三回目ですが)なので、思わずニコニコしながら口に入れます。
カウンターの上には大皿に載ったタコの足や、茄子の味噌煮などが並んでいます。

「オススメは何ですか?」

と尋ねると、

「小さいんですけれど、コハダが美味しいのよ。」

とのこと、

「じゃぁその”コハダ”と、この”タコ”をお願いします。」

まずは”タコのやわらか煮”が出てきて、期待通りの旨さ。
次に出てきた”コハダ酢”は確かに小さいが、6尾くらいの数がすごく上品に盛り付けられている。
小さいわりに味が染み出てきて実にウマイ。
単に長くやっている店とは違う、何かこう料理に控えめな華やかさと、基本に沿った旨さがあります。
間違いない、このオバチャン女将さんは料理の名人だ。

「あの、お酒をお願いします。」

「何になさいます?」

「”獺祭”をお願いします。」

「マァ、通でいらっしゃるのね。」

東北に出張することが多いので、かえって西のお酒が飲みたくなることなどを話していると、”獺祭”が見慣れないタイプの猪口とともに出てきた。
金属製で、ねずみ色の外側にはウサギの彫り物がしてあり、磨かれた内側は仄かに黄色く光っている。
この色は・・・(と先日購入したミニかんすけを思い出し)、

「コレは・・・錫ですか?」

と、一か八かで訊いてみた。
すると女将さん、一瞬、「よくわかったわね」という顔をして

「なかなか無いのよ。そのウサギの模様も、人間国宝級の人が彫ったものなのよ。」

(ギクッ、よ、よかったぁ、「金属だと割れないからいいでしょ」とか余計なこと言わなくて。でもホントは錫じゃなくて銀だったのかもネ。)

んー、”獺祭”のフワリとした香りと、冷たい猪口の口当たり、そして格別にウマイ料理。

コレだよなぁ~、コレ。

料金もリーズナブルで、大満足。
カウンターを自分で拭いて、ボロが出ないうちに一軒目を切り上げることにしました。
明日は仕事で少し遠くへ行くことを話したからでしょうか、それともこのあとまだ飲むことを察知したのでしょうか?
店を出るときに女将さんが、

「いってらっしゃい。」

と声を掛けてくれたのが印象的。

いいなぁ~阿佐ヶ谷。

つづく。

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コメント

初めまして。ココフラッシュから来ました。一休みですか。いい店にいきましたね。ここはカウンターだけの赤提灯なんだけど割烹なんですよね。で、店内は完全禁煙という非常に希有な店です。女将さんは墨絵の達人だったはず。小さいけど上品な店と女将さんですよねぇ。

投稿: bleu et rouge | 2006.08.21 00:00

>>bleu et rougeさん
はじめまして~♪
ナヌッ!あの女将さんは墨絵の達人でもあるんですか( ̄□ ̄;)!!
阿佐ヶ谷恐るべしっ!

投稿: FUKAWA | 2006.08.23 22:55

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