仙台の夜:二日目
仙台二日目。
この日は昼食に”牛タン”をたっぷり食べたので、夜になってもそれほどお腹が空いていません。
こんなときはやはりあそこ、文化横丁の「源氏」です。
文化横丁の一番奥の路地に入り、更に路地の奥へ、その最奥のドン詰まりにあるのが「源氏」です。
ガラガラ・・・。
引き戸を開けて薄暗い店内へ入ると、この夜はいくらか席が空いていました。
着物に白い割烹着の女将さんに”ビール”をお願いして一息つきます。
奥の方の席では、年配のサラリーマン風がなにやらヒソヒソ。
私の隣では初老の紳士が、何か文章を書いているようです。
間もなく”ビール”と、”冷奴”が登場。
このお店はお酒を注文すると、必ず何か一品料理が一皿ついて出てくるのです。
その料理のラインナップがまた泣かせます。
”えぼ鯛焼き” ”キンキン煮付け” ”漬物”(←ウマイ) ”活け〆アナゴの白焼き” ”鮎の開き” ”ちゃ豆”などなど、酒好きにはたまらないモノばかりです。
「次の一杯に鮎の開きが付いてきたらラッキーだな・・・」
などと思いながら、静かに過ごします。
そして忘れてならないのがこのお店の燗付け器。
円柱状の本体は、内部にガスの火が灯り、上部にジョウゴのような受け口があります。
そのジョウゴに日本酒を一合注ぐと、内部(たぶん細いパイプがらせん状に這っているのだと思う)を通ってちょうど良い燗具合となったお酒が、一番下から出てきます。
それをガラスの重厚なコップでいただく。
コレだよなぁ・・・コレ。
気持ちよくホロ酔い気分になった頃、隣で文章を書いていた紳士は、何も言わずにカウンターに勘定を置いて帰っていきました(カッコイイ)
お酒、料理、お店、そして客。全てが楽しめるスバラシイお店です。
燗酒を飲み終えた我々も、静かに席を立って”昭和”の雰囲気そのもののお店を後にしたのでした。
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コメント
この店、なんともいえない雰囲気ですね。女将さんがこれまた、何ともいえない昭和の空気を醸し出しています。
投稿: 自由なランナー | 2006.09.10 21:01
あの女将さんいいですよねぇ~。
理想の女将さん(←なんじゃそりゃ)の一人です。
投稿: FUKAWA | 2006.09.12 21:57