やっと見つけたもぐりの酒場
小倉に越してきてから一年半ほどが経過したころの話です。
いつもより少し多めに飲んでしまい、帰りに道に迷いかけたことがありました。
どんよりと真っ暗な川に沿って歩いていると、ふと目の前に一つの灯りが現れました。
看板には「BAR ?」とあります。
暗い路地に地味な灯りのたたずまいは、まさしくBARのイメージですが、看板に「?」と書いてあるとちょっと不安になります。
ちゃんとしたお店だろうか?
それとも元ちゃんとしたお店だったところが閉店して、後に居抜きで入ったスナックかな?
首をひねりつつ良く観察してみたところ、入り口付近に燻製用の本格的なスモーカーが置いてありました。
「これはきっといい店だ」と、判断し、早速扉を開けてみます。
ギッ・・・
「いらっしゃいませ。」とマスター。
「ようこそこんな入りづらい雰囲気のお店へ(笑)」と迎えてくれました。
薄暗い店内には長い一文字のカウンター。
バックバーには一通りのお酒が並んでいます。そしてこの暗さにもかかわらず一瞬で初めての客と見抜いたマスター。
「やっぱりいい店だ。」
天井には星空を模した小さな穴が開いており、そこから小さな光がもれてきます。
カウンターの各席の上にはスポットライトが設置されており、客が座った席だけ、マスターが照明のスイッチをONにするようです。
ガッチリとした体格で、パイプの煙をくゆらせながら話すマスター。
「俺は俺の考え方で店をやってます」的なタイプです。
時々「俺は俺」すぎてワケがわからないお店もありますが、ここに関してはカクテルの腕も悪くありません。
探してたんだよなぁ~こういう店。
あ~、やっと見つけたよ。
正式な店名は「SHEELA'S Speakeasy」。
席はガラガラなことが多いのに、見慣れない客が団体で入ってこようとしたら、入り口で断る頑固さ(それも小声で、「いや、今夜はちょっと、ええ、ちょっとですね・・・」と意味深な断り方)があるかと思えば、女性の一人客が気軽に立ち寄ったり、親子連れの客なんかも来る。
”Speakeasy”とは、「もぐりの酒場」という意味だそうで、まさしくこのお店にピッタリです。
開店が21:00頃と遅く、自宅とは少々方角が違うにもかかわらず、ついつい足を運んでしまうお気に入りの酒場なのです。
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コメント
!!!
FUKAWA的ワールドな良い店ですね!!
じんわり、きます。
・・・読んでいても。
投稿: 葛飾のオヤジ | 2010.03.23 23:54
>>オヤジさん
伝わったようで嬉しいです
投稿: FUKAWA | 2010.03.27 11:12