唐津へ行ってきたんですよ。
今年のゴールデンウィーク、実家には帰らずに九州で過ごすことにしました。
この時期の九州といえば、一番大きなイベントは「有田陶器市」なのです。
陶磁器の産地として全国的に有名な有田・伊万里地域で大規模な陶器市が開かれ、連休中はものすごい数の人で賑わうのです。
しかし私はどうもこの「有田陶器市」には触手が動かないのです。一番の理由は、”人混みが嫌い”ということ、二つ目は”酒器が少ないと思われる”ことです。
以前仕事で有田を通りかかったときに、いくつかお店を覗いてみたり、あるいは別の陶器祭りなどで見た限り、有田焼はお皿やお椀の割合が多く、盃や徳利が少ない印象を持っているのです。ところでこの時期、有田以外の陶磁器の産地でもイベントが多数開かれているのです。
それらについて調べていたところ、「唐津焼きもん祭り」なるイベントを発見しました。
このイベントのパンフレット、なんと表紙に私の大好きな片口が写っているではありませんかっ!
盃や徳利よりも、更にマイナーな酒器である片口です!
内容を見ると、「古唐津のぐい呑み展」なる展覧会も行われるとのこと。
ここまで酒器にフォーカスしているとなると、これは行ってみる価値がありそうです。
特急列車を使わないと片道3時間くらいかかるのですが、車窓から玄界灘の美しい海を眺めながらの旅は楽しめます。唐津駅に到着すると、懸念していた人混みは全くナシ。
むしろ駅前は閑散としています。
最初に「古唐津のぐい呑み展」を見学した後、ショップや窯元が展示・即売を行っている商店街へと向かいます。
各コーナーを除いてみると、盃やぐい飲みは言うまでも無く、ほぼ全てのコーナーに片口があるではありませんか!
オオーッ!唐津焼とはなんてすばらしいんだ!
(もちろんお皿やお椀、花器や茶器もたくさんあります)
好みの酒器を物色しつつ商店街をブラブラと歩きます。
街並みは古い城下町の趣を残しており、静かで落ち着いた雰囲気の素敵な町です。晴天のポカポカ陽気で、心地よい風が吹いています。
立派な構えの唐津神社を見つけるとお参りし、旧唐津銀行の建物での展示「食と器の縁結び展」へと向かいます。
展示を見終わり建物から出てくると、近くに渋~い木造の建物を見つけました。建物の前にはうっすらとした煙と芳しいウナギの蒲焼の香りが・・・。
「竹屋」というこのウナギ屋さんは木造で三階建て、文化財に指定されていることを表すプレートが設置されています。
かなり古い建物であることは間違いないのに、木材の表面はキレイに手入れがされていて実に好感が持てます。
もちろんランチはこのお店でいただくことにしました。店内に入ると古い建物らしく上の階の人が歩くたびにギシギシという音がしています。しかし建物は隅々まで実にきれいに磨き上げられており、この景色と音を堪能しつつし時を過ごします。
しばしの後に鰻丼という幸せが訪れました。
ウナギは表面に独特の弾力がありすばらしい食感。
お供は肝吸いとキリン クラシックラガーの大瓶です。
食後もかなりの予算オーバーを覚悟しつつ酒器ばかりを物色しながら駅へと戻ったのでした。そしてこれがこの日の収穫。
盃はお酒の色がよくわかりそうな色のもの、お酒を注いだときに内側の景色が変わりそうな物を中心に選びました。徳利と片口も一つずつ購入。
特に片口は、
「こういうの前から欲しかったんだよなぁ~」
と言いたくなる(言ってしまった)ドンピシャリの物を入手できて大満足でした。多分一生にそう何度も出会うことの無いであろう一番のお気に入りとなった片口でいただく日本酒は、小旅行の疲れを癒し、心地よい眠りへと誘ってくたのでした。
最後に、唐津市は「唐津焼と地酒で乾杯する条例」という条例が施行されている、実に民度の高い都市であることを付け加えておきます。

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コメント
FUKAWAさま
いいお買いものができましたね。
先日、東京でお酒を飲んだ時、片口で出していただきましたが、片口というものに思い入れが特になかったため、何も思いませんでしたが、FUKAWAさんのブログを拝見すると、片口って、いいものだな~と思います。
私も片口が欲しくなってきました。
投稿: にゃんこ | 2016.05.05 14:09
>>にゃんこさん
片口でお酒を出すということは、そのお店は日本酒にこだわっていること間違いナシですね!
投稿: FUKAWA | 2016.05.06 11:40