都城市の夜に、いぶし銀の星が二つ。 後編
都城市での二軒目は、小倉のbar raisinで教えていただいたお店へと向かいます。
調べてみたら電車で一駅、西都城駅の方にあるようですが、電車の本数は思ったより多くて一安心です。
その西都城駅へと移動し、駅前に設置された地図を見てみると、目的地が先ほどのお店で聞いた”一番の飲み屋街”である牟田町であることが判明。
ところが・・・・
目的地までの道のりは街灯もない真っ暗な道が続きます。
少し歩いたところでやっといくつか明かりが見えてきました。
とはいえあまり華やかとは言えない飲み屋街。その一角の、おそらくこの辺りではランドマーク的になっているものと思われる大き目の飲食店ビルに、目指したお店はありました。
SHOT BAR トロアジェームオム
扉を開けると先客は無し。
まっすぐなカウンターとテーブル席が2つ。
マ:いらっしゃいませ。
私:こんばんは。えっと・・・。
マ:どうぞ、真ん中へ。
まずは”ジン・トニック”をお願いしたところ実にシャープな味わいで喉越しがバツグン。
その味に、
「このお店、いい店だ。」
と確信し、改めて店内を見まわします。
バックバーには数百本のボトルが鎮座しています。
意外にも古いお店ではない様子で、マスターも重鎮クラスかと思いきや、お歳は60手前と思われる。
マ:ご出張か何かで?
私:ハイ、小倉から。向こうでraisinのマスターにこのお店を教えていただいたものですから。
マ:あー、林さんね。そうですかそうですか。
私:”トロアジェームオム”とはどのような意味なんですか?
マ:「三番目の男」という意味なんですよ。
一番がお客さん、二番目はバーの雰囲気、三番目にバーテンダー。
私はそれで良いと思っているんですよ。
そんな会話をしつつ、二杯目は”ホワイトレディー”を注文。
独特な長く丁寧なシェイクの後に供されたカクテルは、やさしさを感じさせる味わい。
マスターによると、最初は現在と同じような普通のサイズのお店をやっていたのだが、その後しばらくして世の中の景気とともに経営を拡大。
かなり広いお店で人も何人か使って酒場を営んでいた時期もあったとか。
しかし結局は、自分の理想と違った方向へ向かっていることに気づき、数年前に原点に戻るようにして現在のお店を開いたそうである。
いぶし銀のマスターのお話を聞きつつ最後は”マティーニ”でキュッと締めたのでした。
めったに訪れることのない都城市。
そこで出会ったいぶし銀の酒場の主二人。
「何か理由を作って、また来たい。」
そう思わせる静かな街なのでした。
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コメント
二件目もとっても素敵なbarですね。
三番目の男!
ジントニックが、美味しいし、ホワイトレディにマティーニ、順序よく、まどろみましたね。
しばらくカクテル飲んでないです。
とっても飲みたくなりました。
いぶし銀の2軒、ありがとうございました。
投稿: pon_shu | 2017.10.28 12:57
barの雰囲気とFUKAWAさんが馴染んでいる景色が見えてきました。
読んでいて、私も行きたくなりました。
投稿: にゃんこ | 2017.11.12 15:28
>>にゃんこさん
良いBARを、それも遠方で発見した時ほど嬉しいことはありません!
投稿: FUKAWA | 2017.11.14 12:54