阿佐ヶ谷:柿ざわ にて蕎麦屋酒
東京へ転勤したら思う存分食べたいと思っていたものが三つあります。
醤油ラーメン、マグロ、そして蕎麦です。
九州においてラーメンと言えばトンコツ。他の種類もあるにはありますが、圧倒的にトンコツラーメンが多く、逆に醤油ラーメンはかなりの少数派なのです。
マグロについても同様で、西日本はタイやヒラマサといった白身の魚が多く、なかでも海に囲まれた九州は地元産の魚介類がたいへん美味しいため、マグロのように遠くの海から冷凍して持ってきたモノは敬遠されるのです。
たまに近海で捕れたマグロが出ることもありますが、それはそれでお値段が・・・。
ということでマグロを思いっきり食べることが難しいのです。
蕎麦にいたっては更に難しくなっています。
ラーメンとうどんの小麦粉勢に押されてそもそもお店の数が少ないし、”麺類”というくくりで小麦粉勢のソウルフード的な低価格が基準となってしまいます。
よって蕎麦に関しても「何の変哲も無いお蕎麦屋さん」的なお店ばかりになってしまっているのです。
少々お高くても、季節のツマミと美味しい手打ち蕎麦。それにお酒。
というお店はなかなか無いのです。
しかし東京へ移ってからは状況が一変。
醤油ラーメンもマグロも、そして蕎麦もいつでも食すことが出来ます。
気がついたら月曜から金曜まで、昼か夜に必ず蕎麦を食べている週もあるほどです。 そんなある日、小雨の降るなか向かったのは阿佐ヶ谷にある蕎麦やさん「柿ざわ」です。
私:こんばんは。
と入店すると、奥から女性の店員さんが現れます。
私:ひとりです。
店員さんに促され、吸い込まれるように奥のカウンター席へと向かいます。
お店の造りとしては奥に長い構造ですが、店内の空気はスッキリとしており、カウンターやテーブルは当然ピカピカに磨き上げられています。
このような本各店ならではの”空気感”が、なんとも嬉しいものなのです。 まずは”ハートランド ビール”をお願いし、喉の疲れを癒します。
グビッ、グビッ・・・
シュワーッと炭酸が流れ、
フィ~!と、ビールため息をひとつ。
楽しい夜の始まりです。
ツマミは”小皿三種”からスタート。
6種類ある小皿料理から3種類。”パプリカとズッキーニの焼き浸し” ”水ナスの浅漬け” ”白瓜のカラスミ和え”を選択。
たまんないねぇ~。この風景。
酒宴の準備が整いました。
ハートランドを飲み干したらお次は日本酒です。日本酒は10種類くらい用意されており、片口で供されます。
まずは島根の”開春 純米超辛口”をオーダー。
おお~、なんかスゴイ酒器で出てきたゾ。
心躍らせながら開春を一口。
スッキリグイッと。
鳥取・島根・石川三県のお酒はまず間違いなく美味しいのです。
後からやってきた他のお客さんもお酒を頼んでいますが、皆静かに飲み、くつろぎ、あるいは語らっています。
小皿のツマミも少なくなってきたので、ここで”ハモの天麩羅”を注文。
まさしく季節のお料理を前に胃袋が動きます。
二杯目の日本酒は宮城の”伯楽星 純米吟醸”をチョイス。
このお酒も毎年ハイレベルを維持しているすばらしいお酒です。
艶やかな吟醸香と、涼しげな色の片口がジメジメとした長梅雨の雰囲気を追い払ってくれます。
注文のたびに女性店員さんがテキパキと対応していただけるので、リズム良く酒と肴をいただくことができます。
最後は当然お蕎麦で、”鴨せいろ”。
やや細切りでエッジのしっかりした蕎麦をたぐって〆たのでした。
ハートランドがある、日本酒は片口で供され、蕎麦がウマイ、接客も良い。
文句ナシのお店なのでした。
| 固定リンク
「お酒」カテゴリの記事
- 47都道府県酒飲み計画 金沢へ。(2022.11.28)
- ソロ花見をしてきたんですよ。(2022.03.30)
- 阿佐ヶ谷:「酒場 さん七」で燗酒三昧。(2022.02.21)
- 吉祥寺「中清」にて昼酒アワー。(2021.11.29)
- 外飲み解禁日:神田 眠庵(2021.10.05)
「阿佐ヶ谷」カテゴリの記事
- ソロ花見をしてきたんですよ。(2022.03.30)
- 阿佐ヶ谷:「酒場 さん七」で燗酒三昧。(2022.02.21)
- 梅雨空の下 阿佐ヶ谷「やの志ん」で昼酒 (2021.07.05)
- 阿佐ヶ谷:酒場 さん七(2021.03.01)
- 阿佐ヶ谷:〆の一杯「コタンの笛」(2020.11.20)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント