コロナとルンバとリモートワーク その4 狭いエリアで調査編
前回「コロナとルンバとリモートワーク 03」で光センサーを搭載させたルンバですが、いよいよデータ取りです。
まずは和室の一部を区切って清掃をさせてみました。
最初に清掃させるスペースを約一畳に区切ってみたところ、なんと「HOMEに戻るモード」に移行することなく6分間で清掃を終了してしまいました。
10回試しましたが、毎回6分間で終了するのです。
試しに半畳と二畳の広さでも実験しましたが、ほぼ6分間で終了します。
次に三畳の広さに区切って実験してみました。
するとまたもや「HOMEに戻るモード」に移行することなく、今度は平均11分間で終了しました。
このことから推測されることは、以下の通りです。
・ルンバは最低でも6分間稼動する。
・ルンバは何らかの方法で自分のいる場所の面積を感知し、広さにより稼働時間を調整している。
今回の実験は「HOMEに戻るモード」へ移行したことをセンサで検知するユニットのテストも兼ねていたので、清掃エリア内にHOMEを設置せずに行っていました。理由はルンバが「HOMEに戻るモード」になり、HOMEからの赤外線信号を受信するとルンバのHOME印のLEDが点灯から点滅に変わり、時計がリセットされてしまうからです。狭いエリアだとモード移行後にHOMEを探し回ることなくすぐリセットされてしまうのです。
しかしその後しばらくルンバをいじっていて分かったのですが、そもそもHOMEから出発させないと「HOMEに戻るモード」にならないのです。
んー。ということはHOMEから出発させないで、勝手に終了した時間が、清掃開始からHOMEに戻るモードまでの時間?
そう考えて三畳のスペースにHOMEを設置して再度清掃時間を計測したところ、平均11.4分間。
ルンバがHOMEに戻るときは向きを変えてお尻の方からゆっくりとHOMEへ戻るのでいくらか時間がかかります。
それがだいたい24秒間の差であるとすれば、勝手に終了した時間が、清掃開始からHOMEに戻るモードに移行するまでの時間と考えてよさそうです。
つまり、光センサーを使って時間を計測する装置は出番が無くなったのです(泣)
気を取り直して、ここまでの結果から、ルンバはどのようにして清掃スペースを認識しているのかを考えてみました。
考えられることとしては、直線距離の長さではなかろうか。
極端に幅の狭い長細い通路などを除いて、直線距離が長くなればそのスペースの面積は広くなるからです。
他に考えられることとして、ルンバが壁などに当たって向きを変える回数が関係している可能性もあります。
そこで次なる実験は、三畳のスペースに障害物を置いてみることにしました。
障害物の位置は、三畳のスペースで得られる最長直線距離を遮らない、短い直線距離の位置に置くパターンと、最長直線距離を遮る位置の2パターンです。障害物の大きさや数は同じなので、どちらのパターンでもルンバが障害物に当たる回数はだいたい同じと考えてよいかと思います。
結果として障害物を短い直線距離の場所に置いたときの平均清掃時間は9.9分で、障害物がないときの11分よりやや短くなった程度。長い直線距離を遮る位置に置いたときの平均清掃時間は7.3分と大幅に短くなり、明らかに最長直線距離が関係しているという結果になりました。
以上の結果と、和室全体の清掃時間も計測してまとめたのが下の表です。
|
半畳 | 一畳 | 二畳 | 三畳 | 三畳障害物(短) | 三畳障害物(長) | 和室全体 |
直線距離→ | 110 | 190 | 235 | 300 | 300 | 260 | 370 |
1回目 | 6 | 6 | 6 | 10 | 8 | 6 | 19 |
2回目 | 6 | 6 | 6 | 12 | 10 | 6 | 19 |
3回目 | 6 | 6 | 7 | 13 | 12 | 6 | 19 |
4回目 | 6 | 6 | 6 | 11 | 11 | 7 | 19 |
5回目 | 6 | 6 | 6 | 12 | 10 | 6 | 18 |
6回目 | 7 | 6 | 7 | 12 | 10 | 10 | 17 |
7回目 | 6 | 6 | 6 | 12 | 9 | 7 | 16 |
8回目 | 7 | 6 | 6 | 8 | 8 | 9 | 15 |
9回目 | 6 | 6 | 6 | 10 | 10 | 6 | 13 |
10回目 | 6 | 6 | 6 | 10 | 11 | 10 | 14 |
平均 | 6.2 | 6 | 6.2 | 11 | 9.9 | 7.3 | 16.9 |
直線距離と平均清掃時間をグラフにすると下図のようになりました。
直線距離がある程度長くなると、直線距離と平均清掃時間にある程度相関関係があることが分かりました。
ということは直線距離が長くなるように工夫すれば、もっと広いエリアでも清掃時間が長くなり、結果として居住スペース全体を清掃する確率も上がるのか?
次回コロナとルンバとリモートワーク5へつづく。
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