2021.03.01

阿佐ヶ谷:酒場 さん七

01_20201204123801 阿佐ヶ谷の飲み屋街の特徴は個人店が多いこと。
そしてお店の経営者もエッジの利いた人が多く、音楽好き、演劇好きを全面に出していたり、あるいはいわゆる不定期休で休みが多かったりと、”面白いけれど慣れないとなかなか落ち着けないお店”が数多くあります。
そんな阿佐ヶ谷の夜の街で見つけた、肩の力を抜いて静かに落ち着いて飲めるお店のひとつが「酒場 さん七」です。

02_20201204123801 阿佐ヶ谷駅前から続く商店街「パールセンター」を南へ向かって歩き、一本横の通りに入り込むと、そこにいかにも昭和な飲食店ビルが佇んでいます。
「パティオ・エル・スール」というオシャレな名前のこのビルは、やけに幅の広い階段が日本経済全盛期の昔を語り、少し寂しげな照明が飲兵衛を吸い寄せます。

このビルの二階にある「酒場 さん七」は、日本酒中心の小さなお店です。
カウンター4席と小さなテーブル席がひとつと、滅多に使われることの無さそうな普通のテーブル席がひとつ。
店主は「ウンチクは嫌い、敷居も意識も低いお店です。」
と言ってはいるものの、実はすばらしい日本酒のラインナップとしっかりしたお料理の味わえる素敵なお店なのです。

この夜は料理はお任せコース¥2,800-。内容は”あん肝煮付け””自家製さつま揚げ””馬ヒレ刺””スルメイカしょっつるバター炒め””馬ヒレステーキ””おでん盛り合わせ””〆のご飯”と、どれもお酒に合う、喉と腹が同時に鳴り出すようなモノばかりです。
日本酒は杉勇小松人と冷酒で頂いたあと、奥播磨をお燗で。
03_20201204123801 燗酒は写真のような二重構造の酒器で供され、客が好みの温度でいただく方式。
燗酒というのは洗物が増えるだけでなく、ときどき燗具合についていろいろ言う客がいてお店としてはメンドウなことも多いと思うのですが、この方式は客が燗具合を自分で調整するので問題なし。
最後は不老泉を燗で。

私:奥播磨のあとだからどうかと思ったけれど、しっかりした良いお酒ですね。
店主:ウチはそういったお酒が好きで、奥播磨でも真ん中くらいかもしれないですね。

見れば日本酒のメニューは軽めのものから濃いものへと順番に並べて書いてある。
実はその日にあるほとんどのものが”お任せ”に含まれていて、言い換えるとメニューの数はそれほど多くないのです。
バーか喫茶店の後に居抜きで入ったような店内は改装もほとんどいじっていないみたいだし、この「やらないことをしっかり決めました」的な無駄の無さが気持ちいい。
立地も古いビル(店主いわく”秘境ビル”)で、しかも二階だから家賃も安いのかも知れず、そういったことがコスパの良さにもつながっているのでしょう。

トイレはビルのフロアで共用(男女も共用・注)というこれまた昭和な建物のお店であるにもかかわらず、若い女性客もチラホラやってくるような、独特な魅力をたたえたお店なのです。

注:トイレは明るく清潔です。

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2020.08.30

うなぎをツマミに一杯:阿佐ヶ谷 阿づ満や

暑いねぇ~。
こんな日はうなぎ屋で昼酒というのもオツなもんです。
ウナギというのはお値段がやや張るので毎週食べるわけにはいきませんが、やはり定期的に食べたくなる一品なのです。

この日、セミの鳴き声を背に向かったのは阿佐ヶ谷の人気店「阿づ満や」さん。
土用の丑の日はとうに過ぎたというのに、開店前にすでに数人のお客さんが待っています。
まもなく開店したので女将さんに。

「ひとりです。」
と告げてカウンターへ。

お目当ては”うな重・上”ですが、うな重が出来上がるまでの時間を考えて、同時に”肝煮”と”焼き鳥”も注文しておきます。
もちろんビールも注文し、一人飲みの準備が整いました。

瓶ビールをコップに注ぎ。

フハァ~~。

とビールため息。

いいねぇ~、午前中からの一杯は。

Photo_20200815074501 まもなく出てきた”肝煮”
材料といい味といい、まさに酒のツマミ以外の何物でもない物体です。こいつをつまみつつ、文庫本を読み始めます。
うなぎ屋さんの良いところは、”待つこと”。
うなぎは注文を受けてから捌くのでどうしても時間がかかります。
この待っている時間に他のツマミと酒をチョコチョコとやりつつ、リラックスして過ごすのが良いのです。
カウンターの隣の席では、六十代と思われるオジサンが、これもビールを飲りながら(やりながら)スポーツ新聞を広げています。
店内はやや混んできて、店員さんが客席と厨房を忙しそうに往復しています。

続いて出てきた”焼き鳥”と交互に味わいつつ、ビールを飲み進めます。

テーブル席では老夫婦か、これも静かにビールを飲っています。

Photo_20200815074502 そして登場した”うな重・上”けっこうアツアツのご飯の上に乗せられたウナギはしかりと蒸しあげられた関東風。
口に入れれば舌の上にネットリと貼りつくような食感がたまらない。
たれは甘すぎず、そして多すぎず、米粒の主張を妨げません。

あ~、ウメェ。

タマンネェ~。

あまりの旨さに、口だけでなく胃袋まで動き出すかのような至福の時間。
ご飯粒一つ残さないように美しく頂きます。

「うなぎは時間がかかる」とは書きましたが、阿づ満やのような大衆店では、待ちくたびれるほどの時間はかかりません。
よってうな重を食べ終わっても、最初にたのんだ”肝煮”はまだ残っているので、ここで冷酒を一杯。
”肝煮”とバッチリ合うのはやはり日本酒です。
またもや文庫本片手にチビリチビリと、小さな贅沢を味わうのでした。

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2020.08.02

阿佐ヶ谷:中華料理 三番で昼酒

Photo_20200719143401 長い梅雨も明けて夏の日差しが一気に強くなってきた日曜日。

この日向かったのは「中華料理 三番」いわゆる街中華のお店です。
このお店は阿佐ヶ谷の飲み屋街の一番端っこの、住宅街との境に位置しています。
決して派手ではない店がまえではありますが、それが逆に地域になじんで愛されていることの証明でもあります。

ガラリ・・・と引き戸を開けて、小さなテーブル席へと着席します。

中華のお店って、時々なぜか全体のスペースに合わない特大のテーブルと、それとは別に買ってきたチグハグなサイズの椅子がセットになっていて腰が落ち着かなかったり、あるいはテーブルやカウンターの上にやたらと物が置いてあったりすることがありますが、このお店は違います。
スッキリとした店内には小さなテーブル席がいくつか整然と並んでします。
壁にはおびただしい種類のメニューが貼ってありますが、これも全て同じ赤い紙に同じ高さになるように書かれています。
よく見ると鉛筆で下書きをしてから筆で描いたようで、こんなところにも仕事の丁寧さが見て取れて好感を持てます。


私:”瓶ビール”と”餃子”、あと”冷やし中華”をお願いします。

このお店の餃子は注文を受けた後に皮から作るので、ある程度時間がかかります。
そこでビールをやりながら文庫本(鬼平犯科帳)を読んで待つことにします。

グビ、グビ、プハァ~!
夏の日差しの中を歩いた分だけビールもウマイ。

しばらくして入ってきた二人連れは近所のご夫婦だと思いますが、やはりまずはビールを注文。
阿佐ヶ谷へ来て思ったのですが、昼酒に関してなかなか寛容なのです。
北九州でも昼酒をしている人(私とか)はいますが、周囲からやや批判的な視線を感じることもありました。
そんなときは、「遠山の金さんだって昼から酒を飲んでいるじゃあないか!特に杉良太郎バージョンは・・・」と心の中でお上の威光をかざしたりしたものでした。
それに比べて阿佐ヶ谷では、中年夫婦が余裕で一杯やっているあたり、酒好きにはたまらない、いい土地柄なのです。

そして到着した餃子。

モッチリした皮の中は、野菜中心の具がたっぷり。

こういう街中華は、なんと言っても安心感があります。

値段が高いということはないし、食べ方の分からない変わった料理もない。
味も誰にでもわかる味付けで確実にオイシイ。
広くないからお店の人の目も行き届いている。

和食のお店だと、料理は満足でも日本酒がイマイチでがっかりするパターンがありますが、私は中華の場合は最初からビール一辺倒に決めているのでその心配も無い。

その後に入ってきた三人組は会社員風(たいへんですね、日曜日なのに)
話しぶりからこのお店にはたびたび来ているようですが、そのうちの一人が餃子とチャーハンのどちらにするか散々迷ったあげく、最後になぜかワンタン麺を注文。(こういうヒト、いますよね)
静かな店内で他のお客さんを観察するのは実にオモシロイものです。

こちらはビールの残りを確認しつつ、冷やし中華に取り掛かりました。
冷やし中華も最近ありがちな”変わり冷やし中華”のようなものではなく、昭和の味を守り続けている感じがうれしい。

フゥ~。いい感じに満腹だ。

いくら昼酒に寛容とはいえ、飲み過ぎるのは御法度。

ブラブラ歩いて、特に意味もなく近くの公園の様子でもチェックして、家に帰ることにしたのでした。

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2017.04.02

ベランダカウンターに石焼を導入したんですよ。

3 春がやってきました。
冬の間は寒くて使うことのできなかったベランダカウンターを再開する季節です。
朝晩はまだ肌寒いものの、昼すぎに日が差したベランダはポカポカしていい気持ち。

Photo_9
そして何より見晴らしの良い我が家のベランダカウンター。

まずはビールで皿倉山にカンパイです!




Photo_2 この日は我が家の冷蔵庫に良い日本酒が揃っていたので、食事も和食ベースとしてみました。

最初は””で腹を満たします。
西日本は丸餅オンリーかと思いきや、四角いタイプもちゃんと売っています。磯辺巻き風に海苔とチーズを巻くには四角タイプの方が都合がヨロシイ。
お酒の供としては”ソラマメ”もいい仕事をしてくれます。

Photo_3 ビールでのどを潤したら、お次は日本酒。
まずは香川県の銘酒である”川鶴 讃州オオセト55 特別純米”をグイッといきます。
気骨のある川鶴の味わい。いわゆるフルーティーなお酒も悪くはないけれど、やはりこういうしっかりとした味わいのお酒が好きだ。



Photo_4 そしていよいよ登場したものが「」です。
マンションのベランダで炎の出る器具はNG。
冬の間いろいろ考えていたのですが、ある日、出張先の居酒屋で”石焼”なる料理を見つけて小躍りしていたのです。
石は近所の川で大きさや形を吟味して拾ってきました。
その石をガスコンロで熱した後、食材を乗せて焼くのです。

Photo_5 この日の食材は市場で買ってきた”生のタコ”。
これにレモンをギューッと絞って、きざみネギとともに焼きます。
そしてポン酢をつけてパクリ。

たまんねぇ~。

Photo_6 次なるお酒は”秋鹿 純米生酒 山田錦
これを片口に注いでいただきます。

石の放射熱はかなりのものなので、近くに置いた片口が少しずつ温まります。
温度とともに変化するお酒の風味をゆっくりと楽しみます。

タコを平らげるころには石が冷めてきたので、次の石をセットします。

1そして食材は”干しタコ
これは熊本の居酒屋で出会った、燗酒にストライクなツマミなのです。
お店の人に尋ねてみたら天草地方の名産であるとのこと。
そこで天草に出張する部下に命じて買ってこさせていたのです。

Photo_7 干タコを石の上に置くと、ムギューッと縮み、続いてクニャッともんどりうつのが楽しい。

Photo_8 お酒は”群馬泉 超特選純米山廃”をぬる燗で。

ん~、いいねぇ。

ぬる燗とあぶった干物。
そして気持ちのいい景色。

充実した昼下がりなのでした。

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2016.07.01

燻製作りを始めたんですよ。

00酒飲みという人種はツマミにもこだわるもので、お酒のレパートリーが広がるのに連れて食の方も守備範囲が広がっていきます。
知り合いや近所の人が分けてくれる毎年の旬の食材を楽しみにしたり、旅に出れば各地の名物を求め、それに酒を合わせる。
三十代半ばくらいからは珍味を酒の友とし、「旨いものをちょこっと」で満足するようになるものです。
そんな酒飲み達が、酒の和洋を問わず好んで食するツマミが「燻製」です。
この燻製、お店で食べる分には何の問題も無いのですが、自宅、しかもマンションで作るとなるとどうも敷居が高いように思っていたのです。
燻製作りに関する書籍はたくさん出版されているし、燻製用の機材も実に様々なものが売られています。
更にマンションでは煙の問題があります。

まさに何から手を付けてよいのかわからない状態。そんなある日、マンションでの燻製作りをあきらめきれずにWEBでアレコレと調べていると、どうやら煙の問題を解決できそうな機材を発見しました。
01Zwilling ツインスペシャルズ スモーカーセット”という製品で、見た目は写真のように鍋のような形。
実際鍋としても使用可能なのですが、こいつの内部に燻製材料を載せる網と、材料から落ちる水分をスモークチップに直接触れさせないためのカバーのような部品がセットできるようになっているのです。

amazanのカスタマーレビューでも評価は上々のようなので、早速購入してみました。

このスモーカーセット、鍋状の本体と蓋の部分がピタッとハマり密閉度が高い。よって燻製製作中もモクモクと煙が出ることは無く、換気扇を回していれば室内に煙が充満することもありません。
燻製が完成して蓋を開けるときにはさすがに大量の煙が出るので、一時的にマンションの通路へ持ち出す必要はありますが、これでマンション暮らしでも燻製を作ることが出来そうです。

で、肝心の燻製作りですが、とりあえずスタートとしては心配したほどのハードルの高さはありませんでした。
03スモーク用のチップなどもWEBで簡単に入手できるし、レシピも入門クラスの書籍の通りに作ればOK。
多くの場合材料を乾かす工程があるので、このような干し網の中に入れてマンションのベランダや通路(その時間帯に日陰になる側)でしばらく乾燥。
その後各種チップを一握りと材料をセットして、燻製開始。
短いものは10分くらいで出来上がります。


04出来上がった燻製は酒のツマミとして最高。

シシャモやホタテといった元々酒のアテとして活躍していたものはもちろん、肉類やタコなどもたいへん美味しくいただけます。
燻製にすると火が通るのと同時に独特な味もつくので、塩分を控えるという意味でも健康的。
更にある程度日持ちもするので、週末に翌週分のツマミを一気に作っておくことも可能です。

05簡単に出来て日持ちする定番はカマンベールチーズ
冷蔵庫で冷たくなっても、口に入れる直前に鼻腔をくすぐるその香りがたまりません。
ソーセージみたいに加工された肉類もイケるし、変わったところでは”ちくわぶ”なんかもしっかりと味がついてオイシイ。
肉類では鹿の肉なんかもウマかった。

06香りを楽しむという意味ではスーパーで買ってきた”ウナギの蒲焼”なんかもいつもとは一味違う味わいが湧いてくる感じでgood!

燻製って、何でもオイシクなる!
中には下準備としてソミュール液やピックル液と呼ばれる塩味の液体で下処理をしたほうが良い素材もあって、そういうものは時間がかかる分出来上がった時の喜びもひとしおです。

う~ん、美味しくて奥の深い燻製の世界。
当分ハマりそうです。


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2015.04.20

夕日のベランダカウンター

4マテ貝掘りを終えて自宅へ戻ると、そろそろ夕暮れ時。
陽気も温かくなってきたので、ベランダカウンターで早めの夕食をとることにしました。
思えばこれまでベランダカウンターはランチ専用で、夕食に利用したことはありませんでした。

夕日の沈む時間に合わせてカウンターをセッティング(板を載せるだけですが)し、ワインと料理を並べます。
7まずはボンゴレ・パスタ。
獲れたてのマテ貝を使い、我が家のベランダで採れたクレソンもトッピング。
マテ貝独特のツルッとした舌触りと、噛んだときの歯ごたえがたまりません。
8
もう一品は、モッツァレラチーズ&トマトのサラダ。
こちらにもベランダで採れたハーブ類をたっぷりと使いました。


6沈む夕日を眺めながら、マテ貝のパスタとワイン。
ベランダカウンターでの小さな贅沢です。

今年は日没後も利用できるように改良を加えようかなと思ったりするのでした。

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2015.04.19

マテ貝掘りに行って来たんですよ。

北九州に転勤を命じられてから、かれこれ今年で8年目になります。
転勤して最初に嬉しかったこと、それは”マテ貝が普通に魚屋さんで売っていたこと”なのです。
マテ貝、この奇妙に長細い二枚貝は、私が以前住んでいた関東地方では比較的珍しく、居酒屋でも二度しか見かけたことが無い(一回目は秋葉原の老舗「赤津加」二回目は貝料理をメインとした別のお店)のです。
しかしその数少ない経験において、マテ貝は独特の食感とかすかな苦味によって私の心を既にとりこにしていたのでした。

そんなマテ貝が北九州では魚屋さんで普通に売っている。それどころか”マテ貝掘り”と言って、素人が砂浜で採取できるというのですから驚きです。
アサリを中心とした一般的な潮干狩りとは区別して、わざわざ”マテ貝掘り”という独立した種目になっている点にも心を惹かれます。

毎年春のこの時期、早い時間の居酒屋のカウンターなどで、同伴出勤と思われるスナックのオネーチャンが、
「アタシさぁ、来週マテ貝掘り行くッチャー」
とか話している光景も珍しくないのです。

当然私も”マテ貝掘り”にチャレンジしたかったのですが、いざやろうとするとなかなか情報が無い。
やっと見つけた場所にも、
「近年、貝が減少しているため、向こう三年間潮干狩り、マテ貝掘りは禁止します。○○漁協」
みたいな看板が設置されているなどして難航していたのでした。

そんなある日、取引先のKさんが、

「FUKAWAさん、K地区のN社の工場の隣に、広い砂浜があるの知ってます?あそこでマテ貝がかなり獲れるんですよ!しかも漁協が権利を放棄しているのでタダなんですよ!」

と耳打ちしてくれたのです。
釣り好きでもあるKさんの情報であれば間違いなしということで、大潮の干潮にあわせてマテ貝掘りに挑戦してきました。

現場に到着すると、ものすごい数の車が停まっています。しかし工業団地内の広い道路で駐車禁止の規制もないため心配なし。

車の数は多いものの、砂浜が広大なので人混み感はありません。

これがいいんだよなぁ~、北九州って。

車で少し走ればちゃんとした自然があって、かなりの人気スポットであっても関東みたいに人人人・・・ということはまず無い。
ゆっくりと遊ぶことが出来るのです。

1_2砂浜に降り立ち辺りを見回すとと、予想通り人々は沖の方に集まっています。

沖に向かって歩くこと数分。

途中で何度か砂を掘り返しますが、なかなかマテ貝の穴を見つけることが出来ません。
更に沖へと向かい、地元のベテランらしきオバチャンが掘りはじめている辺りでコチラも彫ってみます。
干潮で露出した砂の表面を鍬でサクッと削ると、直径3mmくらいの小さな穴を発見。
そこに塩を少々ふりかけると、中から少量の海水が出てきました。

生命反応有り!

しばらく待つと、マテ貝がニョキッと登場。

2貝殻まで十分に突き出たところで、根元をグイッとつまみ、砂の中で粘るマテ貝をグググッと引っこ抜きます。

ヨシッ、獲れた!

こんな感じで徐々に沖へと移動しながら、マテ貝を捕獲していきます。
アサリを対象とした潮干狩りでは、とにかくザクザクと掘って獲物を掘り出すわけですが、マテ貝掘りの場合は穴を見つけてからの駆け引きがオモシロイ。
ピュッと出たかと思うと引っ込んでしまい、なかなか出てこないヤツがいるかと思うと、しばらく放置した穴からコンニチワしているヤツもいる。
十分に突出した状態でしっかりと貝殻部分をつままないと身がちぎれてしまいます。

350初めてのマテ貝掘りですが、徐々にコツをつかんで、時には両手で同時につまみあげるエキサイティングな場面もありました。
最終的に3時間弱の時間で50匹ほど獲ることが出来ました。

満足満足。

というワケで、本日わかったマテ貝掘りのコツ。

◆必ず鍬(クワ)を持っていく。

移植ゴテやその他の小さな道具では、一度に削ることのできる砂の面積が小さくて非効率です。
ただし畑を耕すちゃんとした鍬だと重いので、左官屋さんが舟(四角い箱)でセメントを混ぜるのに使う薄いステンレス製の物がお勧めです。

◆地元のベテランを観察する。

マテ貝は砂浜全体に均一に分布しておらず、いるところにはたくさんいるのに、いないところにはほとんどいません。そんなときファミリーではなく、一人または夫婦で来ている地元のオッチャン、オバチャンの動きを観察すると、マテ貝のいる場所のヒントをつかめます。
やたらとザクザク削っている人より、既に穴を見つけてマテ貝が出てくるのをじっと待っている人とか、オリジナルの道具を持っているような人がオススメです。

◆削ったらしばらく待つ。

表面を削ると、すぐにマテ貝の穴が見つかることもあります。しかしそのまましばらく待つと砂の表面に海水が染み出してきて、それまで目視では気が付かなかった小さな穴から気泡が出てきたり、削ったことにより砂で塞がれていた穴が水分で崩れて再び口を開けたりします。
片っ端から塩をふりかければ、マテ貝がニョキニョキと・・・。

さて、この後は獲ってきたマテ貝を調理して、ベランダカウンターでいただくとしましょう。

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2014.05.18

晴れのちビール 鰻屋でゆっくりと

今日は後輩のNをさそってボルダリング。
二時間以上汗をかいて、疲労で指や腕が使いものにならなくなったところで、どちらからともなく、

「行くかっ!」

という流れとなり、昼の街へと繰り出しました。
とは言え時刻はまだ昼の3時。そのうえ日曜日ということでほとんどのお店が休みか開店前です。

んー、こういうときは・・・。

ということで鳥町食堂街の鰻屋さん「川淀」へと向かいます。

ガラガラ・・・

と引き戸を開けようかと思ったら、この時期ならではの外の空気を取り入れるために既に半分ほど開いている引き戸。
覗き込むと地元の常連さんらしき人が、独りカウンターで飲んでいます。

いいねぇ~、この感じ。

私:「二人です。」

ご主人:「どうぞ、お二階へ。」

狭い階段を上ると、小さな白木のテーブルが数台並んだ静かな空間。

「鰻というのは注文を受けてからさばくんだよ。それで出てくるまで時間が掛かるから、最初にお酒とツマミになる一品モノを頼んでおくのさ。」

と、後輩Nに講釈をたれ、

まずは、「”ヱビスのビンビール”に”板ワサ”それから”うざく”と”う巻き”、最後に”鰻丼(上)”をお願いします。」と注文。
まもなく到着したビールで喉を潤します。

クゥ~、旨いっ!

それにしても昼間から飲むビール、特に天気が晴れの日のビールはなぜここまで旨いのか・・・。

Photoほぼ同時に到着した”うざく”をツマミながら、幸せなひとときをジックリと味わいます。

店内を見回せば、狭いながらも落ち着いた空間。
固く絞られた布巾で毎日拭かれてきたであろう、角の丸くなった白木のテーブルが、六十年というこのお店の歴史を感じさせます。

到着した”板ワサ”を見て、

「カマボコのことだったんスか?」

と聞いてきた後輩Nに、

「カマボコは板にくっ付いているだろ、その板だよ。」

と、不確かなウンチクを披露しつつ、ビールをお代わり。

Photo_2メインの鰻丼は、流石に専門店の味わい。
鰻の表面の軽いパリッと感に、納得の満足感が込み上げてきます。

こういう休日、正しいよなぁ・・・。

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2013.08.18

九州へ戻る前に、浦和の庵浮雨にて昼酒

2今回の帰省における最後のお店は、浦和にあるお蕎麦屋さん「庵 浮雨」です。

上野の定宿からモゾモゾと起きだし、京浜東北線に乗ること約30分。
日差しの強い昼の浦和駅前へと到着しました。
味わいのある小さな商店街の中にある「庵 浮雨」
そのカウンターには常連らしき先客が一人。

まずは”ハートランド”をお願いし、グビッとひと飲み。
お通しとして供されたミョウガの酢浸しをかじりながら、メニューに目を走らせます。
このお店の特徴は、日本酒の品揃えが良いこと。そして蕎麦屋さんなのに洋風のメニューがあることです。

ハートランドを早々に飲み干すと、まずは山口県のお酒”長陽福娘”をお願いし、ツマミは”自家製お豆腐
この自家製お豆腐は、塩やオリーブオイルをかけていただくのですが、豆腐そのものの味が濃厚なので、何もかけなくても十分に美味しい。
しかし塩をかけるとやはり日本酒に合うのです。

お客はもう一人増えて、その人は”喜久酔”を飲みながら黙々と文庫本を読んでいます。
他にも地元の常連さんらしき人が何人か入ってきて忙しそうになったので、しばらくはお酒もツマミもチビチビとやることにしました。

Photo_2そのうちにお店も落ち着いてきたので、”明太子の燻製”と、お酒は”而今・特別純米”をお願いしました。
明太子のプチプチ感と、スモークの香りが絶品です。

そしてそして、ツマミとして”地どりササミの洋風とりわさ”を追加し、お酒は”川鶴・備前雄町 純米無濾過生原酒”をお願いします。
今日このお店に来て、メニューを開いて目が合ってしまったのが、”川鶴”です。
香川県のこのお酒は、めったにお目にかかれない旨いお酒なのです。
以前から”仙禽”が置いてあるのもすごいけれど、川鶴があるとは!

私:「川鶴置いたんだ、すごいね。」

店主:「新しい酒屋さんと取引を始めまして、オススメで入ってきたんですよ」

そんなひと言ふた言の会話の後、川鶴をクッと・・・

う、ウマい。

うすにごりを思わせるほど濃厚でありながら、サラッとした喉越し。
そして厚味のある味わい。

私:「ウマいね、コレは旨い。」

店主:「而今も負けちゃうくらい旨いですね。」

それを聞いていたのかいないのか、わずかな時をおいて文庫本のお客さんも川鶴を注文(ヨシヨシ、この人にも幸せが訪れることだろう)

Photo_3シメはお蕎麦で”肝せいろ
濃厚なつけ汁が蕎麦に絡んで、味覚中枢を直撃してきます。
そして意外なことに、食後に供されるトロトロの蕎麦湯をこの漬け汁にあわせると、少しサラッとした何ともいえないスープに変貌するのです。

それではまた、年末にでも。

そう言い残して、帰りの浦和駅へと向かったのでした。

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2012.12.09

幸せすぎる湯豆腐セットを購入したんですよ。

1このブログではしつこいくらい書いているのですが、私は湯豆腐が大好きなのです。
先日そんな私にピッタリな、こんな一人用湯豆腐セットを発見。
本来は日本料理のお店なんかで使うようですが、迷うことなく個人として購入。
雪もチラつく寒い北九州で、さっそく使い始めているのです。
3この湯豆腐セットの良いところは、全体がコンパクトであるにもかかわらず、このように燗つけもできるところ。
湯豆腐に燗酒。
まさにワクワクする組み合わせです。

2豆腐すくいもステンレスの網で、なかなか本格的です。




4燃料は固形燃料で火力がそれほど強くありません。
そこであらかじめガスで沸かしておいたお湯を張って、そこへ絹ごし豆腐を投入。
ん~、いい感じだ。

6日本酒は山形の杉勇
寒い季節には北国のお酒が合います。



3_2付属の徳利はやや小さすぎて、あまりにも早くお酒が熱くなってしまいます。
そこでウチにあるわりと細身の徳利を何本かチョイス。

 

81結果として熱伝導率の良い錫の徳利がちょうど良い時間でお酒を温めることができるとわかりました。



101フフフ、出来た出来た。




9ポン酢は二種類準備。
大阪名物の旭ポン酢と土佐の枯木ポン酢です。



112ポン酢の中にアツアツの豆腐をポトンと落とし、三つ葉をひとつ加えます。

ハフハフッ・・・
ん~、旨い。


おっと、次の豆腐を投入しなくちゃ。
それからお酒も・・・。
一人でアレコレ作業しつつ、おいしい湯豆腐で温まる。
幸せすぎる休日なのでした。

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