2021.07.05

梅雨空の下 阿佐ヶ谷「やの志ん」で昼酒 

東京都の緊急事態宣言が解除され、ようやく飲食店でのお酒の提供が再開されたものの、夜7時までというのはなんだかなぁ~。
会社を定時に出ても阿佐ヶ谷へ到着するのは6時過ぎ。かなりいそいそと飲まねばならず、どうも落ち着きません。
家飲みも悪くはないけれど、コロナがこう長引くとツマミのレパートリーも無くなってきたし、新しい分野のお酒への挑戦もネタ切れになりつつあります。

それならいっそ昼から飲めば良い。

01_20210705154901ということで、阿佐ヶ谷の蕎麦屋さん「やの志ん」へと足を向けました。
梅雨の長雨が一瞬途切れた日曜日の11:30。静かな曇天に真っ白な暖簾が映えています。
開店と同時におじゃますると、
女将さんが「お一人?カウンターどこでもどうぞ」と促してくれます。

02_20210705155601 まずは”瓶ビール”とメニュー上で目の合った”トウモロコシのかき揚げ”それから定番の”馬刺し”をオーダー。
ビールをグラスに注ぎ、グビッ、グビッ、グビッと喉を鳴らします。

恥ずかしながらこの歳になって、一杯目のビールは一口ではなく、ある程度の量をグビグビと流し込んだ方が美味しいということに最近気がついた私です。(しかし気づいたことを心から喜んでいます)

03_20210705154901 ”トウモロコシのかき揚げ”は量が多いらしく、店長が気を利かせてハーフサイズにしてくれました。サクサクしたころもに付けた塩と、トウモロコシの甘みの出会いに思わず笑みがこぼれます。
もちろんビールとの相性も最高です。


04_20210705154901お次に登場したのは”馬刺し”コイツにはもちろん日本酒が欲しくなります。”東北泉 雄町純米”からスタート。
馬刺しは熊本産の最高級品ということで、柔らかいことこの上ない。噛めば噛むほど奥底からウマ味がにじみ出てくる、そいつを日本酒でクイッと・・・。

やの志んの料理はどれも美味しいので、次から次へと頼みたくなります。
雰囲気も良いのでつい長居したくなります。

07_2021070515490106_20210705154901 というわけで”大山鳥のネギ焼き”と”真澄 特別純米”に移行。
大山鳥を味わうと、メニューにある親子丼も気になりますが、神に祈るか仏を拝むかと同じくらい悩んだ末に”そばがき”と”秋鹿 山田錦純米吟醸”へと進みました。

08”そばがき”は揚げたものもありますが、この日はノーマルタイプをムニャムニャと頂きました。




10締めのお蕎麦は”鴨とナスとミョウガの限定つけせいろ

鴨・ナス・ミョウガって、全部私の好物じゃないですか!

あ~満腹満腹。家に帰って昼寝して、夕方から健康ランドの温泉でも入るか。

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2021.03.01

阿佐ヶ谷:酒場 さん七

01_20201204123801 阿佐ヶ谷の飲み屋街の特徴は個人店が多いこと。
そしてお店の経営者もエッジの利いた人が多く、音楽好き、演劇好きを全面に出していたり、あるいはいわゆる不定期休で休みが多かったりと、”面白いけれど慣れないとなかなか落ち着けないお店”が数多くあります。
そんな阿佐ヶ谷の夜の街で見つけた、肩の力を抜いて静かに落ち着いて飲めるお店のひとつが「酒場 さん七」です。

02_20201204123801 阿佐ヶ谷駅前から続く商店街「パールセンター」を南へ向かって歩き、一本横の通りに入り込むと、そこにいかにも昭和な飲食店ビルが佇んでいます。
「パティオ・エル・スール」というオシャレな名前のこのビルは、やけに幅の広い階段が日本経済全盛期の昔を語り、少し寂しげな照明が飲兵衛を吸い寄せます。

このビルの二階にある「酒場 さん七」は、日本酒中心の小さなお店です。
カウンター4席と小さなテーブル席がひとつと、滅多に使われることの無さそうな普通のテーブル席がひとつ。
店主は「ウンチクは嫌い、敷居も意識も低いお店です。」
と言ってはいるものの、実はすばらしい日本酒のラインナップとしっかりしたお料理の味わえる素敵なお店なのです。

この夜は料理はお任せコース¥2,800-。内容は”あん肝煮付け””自家製さつま揚げ””馬ヒレ刺””スルメイカしょっつるバター炒め””馬ヒレステーキ””おでん盛り合わせ””〆のご飯”と、どれもお酒に合う、喉と腹が同時に鳴り出すようなモノばかりです。
日本酒は杉勇小松人と冷酒で頂いたあと、奥播磨をお燗で。
03_20201204123801 燗酒は写真のような二重構造の酒器で供され、客が好みの温度でいただく方式。
燗酒というのは洗物が増えるだけでなく、ときどき燗具合についていろいろ言う客がいてお店としてはメンドウなことも多いと思うのですが、この方式は客が燗具合を自分で調整するので問題なし。
最後は不老泉を燗で。

私:奥播磨のあとだからどうかと思ったけれど、しっかりした良いお酒ですね。
店主:ウチはそういったお酒が好きで、奥播磨でも真ん中くらいかもしれないですね。

見れば日本酒のメニューは軽めのものから濃いものへと順番に並べて書いてある。
実はその日にあるほとんどのものが”お任せ”に含まれていて、言い換えるとメニューの数はそれほど多くないのです。
バーか喫茶店の後に居抜きで入ったような店内は改装もほとんどいじっていないみたいだし、この「やらないことをしっかり決めました」的な無駄の無さが気持ちいい。
立地も古いビル(店主いわく”秘境ビル”)で、しかも二階だから家賃も安いのかも知れず、そういったことがコスパの良さにもつながっているのでしょう。

トイレはビルのフロアで共用(男女も共用・注)というこれまた昭和な建物のお店であるにもかかわらず、若い女性客もチラホラやってくるような、独特な魅力をたたえたお店なのです。

注:トイレは明るく清潔です。

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2021.02.01

かんすけ用のフタを作ったんですよ。

かんすけ TK-Ⅱ型を購入後、幸せな燗酒ライフを楽しんでおります。
普段はちゃぶ台の上に置きっ放しなのですが、ここでひとつ問題点が出てきました。

槽内にホコリが入るのです。

さすがに毎日使うわけでもなく、従って毎日洗うわけでも無いので、気が付くと少しですがホコリが溜まっているのです。
飲食店であれば毎晩使うので布巾などを掛けておけば良いと思うのですが、私的にはほぼ週末のみの利用なので、もう少ししっかりした予防策をとりたい。

そこでフタを作ることにしました。

材料は近所の材木店の店先で売られていた端切れの松材を購入。松の木は油を含んでいて水周りで使用するのに向いているというし、十分な厚みを持った木材を少量で購入することが出来ました。

00_20210119124501まずは材料をかんすけ本体と同じ寸法にカットします。
テーブルソーを使えば厚みのある木材もラクラク、そして正確に切ることができます。


この工作の一番の難関は、新たに作るフタの色を本体と同じ色合いにすることです。

本内側は木材を漆塗り風?に塗装してあり、かつ少し使い込んだような風合いまでかもし出しています。
本体とは別に製作するフタの方を同じ色・風合いに仕上げるのはなかなか難しいのです。
過去の経験上塗料の染み込みが悪い松材を選んだ理由のひとつが、塗料を一度にをたっぷり染み込ませるのではなく、様子を見な がら何度も塗り重ねて徐々に色を近づけていく方法を考えていたからなのです。

Photo_20210124081701塗料は当初オイルステインを予定していましたが、近所のホームセンターでは良い色が売っておらず、代わりにカラーニスを使うことにしました。
本体側の塗装色に近い「マホガニー」と、こげ茶色の「エボニー」の二色を混合し、様子を見ながら塗っていきます。
01_20210119124901マホガニーを中心とした一回目の塗装が終わった状態。
思ったより本体側に近い色合いになりましたが、当然一度で満足の行く色合いにはなりません。



03_20210119124901テストピースで重ね塗りの効果を確認したり、二色の割合を変えたりしたりしながら塗り重ねて行きます。
カラーニスは色ムラが出やすい塗料なので、そのあたりも注意・修正しながら進めます。

003_20210125090301徐々にエボニーの割合を高めながら、三回目でこのような感じ。
この後さらにエボニーの割合を高めつつ、しかしニスの濃度は薄めながら数回塗り重ねました。



04_20210124083201仕上げに全体に#1000の耐水ペーパーを軽~くかけてツヤを落としたら塗装は終了。
かなり本体側に近い色合いにすることが出来ました。



02_20210127131001 最後に「いつか何かに使うかも」と思い、その昔アンティークショップみたいなところで購入したツマミを取り付けて完成です。

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2020.12.27

新しい酒燗器を購入したんですよ。

ようやく寒さも本格化し、燗酒の季節になりました。
お店ではもちろん、自宅でも奥深い燗酒の美味しさを味わうために、酒器はもちろん酒燗器にもこだわりたいものです。
Photo_20201227075601
その昔最初に購入した酒燗器は、株式会社サンシンのミニかんすけ。木の箱の中に陶器の容器があり、その中にお湯を入れて、付属の錫でできた蓋つきチロリでお酒を温めるというもの。錫製の蓋つきチロリで燗したお酒はまろやかで美味しく、ちゃんとした木材をあられ組みで組んだ見た目も雰囲気十分で、お気に入りでした。

しかしこのミニかんすけにも弱点があって、まずは一度にチロリをひとつしか温められないこと。もう一つは熱源がお湯なので、時間がたつと冷めてしまうのです。

Photo_20201227075302そんな時ホームセンターで見つけたのが電気式の酒燗器です。一度に二本温められるし、熱源が電気なので温度調節は自由自在。見た目はプラスチックでイマイチですが、いつしかミニかんすけにとって代わり、我が家のメイン酒燗器となっていたのでした。
そんなある日、ふとミニかんすけを見ると、内部の陶器が割れているではありませんか!
引っ越しの時にでも割れてしまったのか?
最近はあまり使わなくなったとはいえ、ミニかんすけが使用不能となるのは悲しいものがあります。
Tk2で、この陶器の部分だけ購入できないか調べているうちに、同じ株式会社サンシンの販売している、かんすけTK-2型を発見したのです。
実はミニかんすけを購入する際、このTK-2型の存在は知っていたのですが、何しろ価格が高くて、素人にはちょっと手が出せないシロモノでした。ところが今回改めて調べてみると、”錫製蓋つきチロリ無し”というバージョンがあるではありませんが!
錫でできているだけに、このチロリがなかなかいいお値段なので、これが無いと金額はグッと下がって、¥36,500-で購入できたのです(amazonで)

このTK-2型はミニかんすけとプラスチックの電気式酒燗器の良いところだけを合わせたような製品で実に素晴らしい。
蓋つきチロリはすでに1個持っているし、他にも徳利をいくつも持っているのでその点も問題なしです。
以下、TK-2型の細部を紹介します。
Photo_20201227075701まずは電気まわり。
電源はAC100Vで家庭のコンセントから供給できます。
コードの長さもプラスチックの物より長い。
アース線が付いているあたり、さすがに業務用機器です。

Photo_20201227075404スイッチまわり。
一番右が電源のON/OFF。
中央は電源ランプ。
左側が温度調節用のツマミです。
ツマミは大きめで使いやすいです。

Photo_20201227075401内部はこのようになっています。




Photo_20201227075406 穴の開いたステンレスの台を外すとヒーターと温度センサが現れます。




Photo_20201227075301 どうこの内寸は110×215×105mmで、純正の蓋つきチロリはもちろんセット可能です。



Photo_20201227075303 我が家で一番胴の太い徳利も余裕でセットすることができます。




オマケで付属してきた酒温計。Photo_20201227075304







Photo_20201227075901TK-2型デビューのこの夜は、ハマグリ入り湯豆腐鍋を突きつつ、じっくりと燗酒を味わうのでした。

 

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2020.12.06

阿佐ヶ谷:のみくい処 青月で静岡おでんとナポリタン

01_20201017093501今年の4月に阿佐ヶ谷へ越してきて、緊急事態宣言解除後の6月から飲み歩きを開始。
阿佐ヶ谷スターロードのお店もかなり行ってみました。
だいたい40軒以上入ってみたので、近頃は地上階ではなく二階や地下のお店にも足を踏み入れています。
聞くところによると、飲食店ビルでは地下や二階以上になると、路面店に比べると家賃がグッと下がるのだとか。
その理由は新規のお客がフラッと入ってくる確率が大幅に下がるからなのだそうです。

とうことは逆に、決まったお客さんが付いている、個性のあるお店に出会える可能性も高くなるというものです。

この夜向かったのは、「のみくい処 青月(あおづき)」です。

お店があるのはビルの三階。
狭くて急な階段を上り、これまた狭い入り口を開けます。

こんばんは~。

あっ、いらっしゃい。
と奥さん。

カウンター席の端に腰を落ち着けて、まずは生ビール。
さわやかなホワイト・ベルグが喉を潤してくれます。

お通しをツマミつつ、まずは"生ピーマン肉詰め"をお願いし、店内を見回します。
先客は奥のテーブル席に女性二人組みのみ。
シャキシャキとしたピーマンにピリ辛のひき肉。

うまい!

02_20201017093501 お次は静岡おでん
このお店は料理担当のご主人が静岡出身ということで、静岡おでんと静岡の日本酒が常備されているのです。
鍋でよく煮込まれた静岡おでんから”コンニャク”と”しのだ巻き”をチョイス。
良くしみ込んだ出しと、しのだ巻きの独特のムニュムニュ感。
これにこの日オススメの日本酒、志太泉でクイッツと

フゥ~。

合うなぁ。日本酒とおでん。

03_20201017093501〆はナポリタンを赤ワインと共にいただきます。
このお店のナポリタンは、普通のナポリタンよりねっとりとした食感に濃厚な味が絡みつき、病みつきになること間違いなし。
時々食べに来ないと禁断症状が出てしまいます。

んー、満腹満腹。

この後は同じビルにあるBARへと向かうのでした。

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2020.11.20

阿佐ヶ谷:〆の一杯「コタンの笛」

Photo_20201119110301酒飲みにとって重要なものはいくつかありますが、そのひとつが”〆のラーメン”であることに異論は無いと思います。
船乗りには羅針盤が、聖職者には活版印刷機が、そして酒飲みには〆のラーメンが必要なのです。

東京に住むようになってからというものの、ラーメンには苦労しません。
特に昔ながらのシンプルな醤油ラーメンがいつでも味わえるのは、関東出身の私にとっては非常にありがたいことなのです。

「店も混んできたことだし、今夜はウエストのことを考えて、一品少ないこのタイミングで帰るか・・・。」などと店を出たものの、「やはりもう少し食べたいなぁ~」となることもしばしば。
特にこの時期は寒い夜道をトボトボと歩いていると、温かいラーメンが恋しくなるものです。

そんな心の隙間にドはまりなお店が、「コタンの笛」です。

このお店を発見したのは阿佐ヶ谷駅から南のほうへ歩きながら夜の新規開拓を行った後、自宅へ向かって青梅街道を歩いていたときでした。
ポツンと灯る赤いちょうちん。古ぼけたアルミサッシの向こうの店内には温かそうな明かり。

「アレッ?もうかなりウチの近所だし、休日はこのあたりをよく通るんだけど、ラーメン屋なんてあったっけ?」

そう思いつつ引き戸を開けてみたのでした。
店内には店主のおばさんが一人と、先客の地元老紳士風が一人だけ。
白い化粧板で出来たカウンターはかなり年季が入っており、天板部分の端の方ははがれてきたのか、小さな釘で打ちつけてあります。
壁には見たことも聞いたことも無い演歌歌手のポスターが数枚。
サッとメニューに目を走らせ、

私:エッと、ビンビールとね。あと、この”笛ラーメン”ってどんなものですか?
おばさん:笛ラーメンはね、餡がかかっていて細切りの豚肉が入っているの。
私:ボリュームがありそうですね。では今夜は少しお腹がふくれているので醤油ラーメンをお願いします。
私:あとお手洗い貸してもらえます?
おばさん:トイレはねその奥の・・・。
老紳士:こっちの奥、左側に電気のスイッチがあるから自分で点けて。
私:あー、これですね。わかりました。(点灯)

餡という単語に触発されてメニューを隅々まで見てみると、焼きそば、各種チャーハンなど、一般的な中華にも裾野が広がっているようです。
このお店を40年以上一人でやっているというおばさんは話し好きで、

いろいろあったわよ。昔はタクシーの運転手さんとか、深夜営業のほら、飲み屋のお兄さんなんかがお店を片付けたあと寄ってくれてたの。でもバブルの後は景気が悪くなって終電の後にタクシーなんか使わないでしょ。そのうえコロナでね、飲み屋さんも早く閉まっちゃうから。だから開店を夜10時から8時に早めたのよ。

話の内容のわりに明るく話しているので、こちらはウンウンと聞いていれば良いのでラクチンだ。

大型の中華なべでジョワーッとスープを熱した醤油ラーメンはアツアツでウマイ!
ツルツルした麺の太さも私好み。
スープまで飲み干して完食です。

私:あ~温まった。おいしかったです。また来ます。終わりは何時まで?
おばさん:閉店?朝まで、明るくなるころまでよ。

深夜だけの営業というスタイルに、子供二人(と、たしか言っていた)を立派に育てあげたおばさんの苦労を想像しつつも、元気に動き回る姿には昭和の母のたくましさもまた感じられる。
その姿をニコニコと見守る老紳士もなじんでいる。
何を頼んでもおいしい店を発見した予感を確信にすべく、次はぜひ”笛ラーメン”や”チャーハン”にもチャレンジしたいものです。


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2020.10.30

秋葉原:「季節料理 赤津加」で至福のひととき。

Photo_20201017135901 一日の仕事も終わり、さあお楽しみの時間。
しかしながらこの日は一日雨。
雨の日の電気街は普段より人が少ない。
今の秋葉原は家電の街ではなくホビーやゲーム、アニメが中心。購入した物のパッケージが雨にぬれて傷むのを避けたり、あるいはゲーム用のパワフルなパソコンなどは傘を片手に持ち帰るのはキツイものがあるからかもしれません。

小雨の降るなか向かったのは、「季節料理 赤津加」です。

カウンター席を目指していそいそと、電気街を通り抜けてお店の前へ到着。
アルコールスプレーで両手を消毒して、ガラリと引き戸を開きます。

カウンター内に立つバイト君と目が合い、

「一人」と合図します。

促されてカウンター席へ。
席へ着くなり赤星(サッポロ・クラシックラガー)を注文し、定番メニューを眺めます。
このお店もコロナ禍で一時はガラガラでしたが、最近はある程度お客さんも戻ってきています。
みんな静かに、酒場の雰囲気に溶け込むように酒と料理を楽しんでいます。

Photo_20201027093001 この夜、最初に選んだのは”マグロ叩き豆腐”です。
冷奴の上にマグロのたたきが乗っかったもので、これを木でできたスプーンで端から少しずつ切り分けていきます。
ドサッとのったマグロが重いので、豆腐が倒れないように食べ進めるのが意外に難しく、慎重に食べ進めます。
べつに豆腐が倒れても何の問題もないのですが、一人飲みにはこうしたつまらない動作が楽しくもあるのです。

Photo_20201012085901  お次は週変わりののオススメメニュー へと目を移し、秋らしい一品を発見。
土瓶蒸し”です。
今夜はマツタケと書いていないから、別のキノコかな?
熱燗”とともに注文して、ぼんやりと過ごします。
しばらくして供された土瓶蒸し。
深い味わいのあるダシと具を交互にいただき、時おり熱燗をクイッと。

秋の夜に土瓶蒸しと熱燗。

あぁ・・。日本人でよかった。

Photo_20200906081301 最後はこのお店の名物ともいえる”もつ煮込み
グツグツと煮えながら登場した小鍋から、プルンとしたモツをいただきます。
ネギや豆腐もさりげなく”盛り付け”がされており、立派なお料理になっています。
そしてまた熱燗を一口。
身体中が温まります。

こういう昭和な酒場が残っている。そしてそこへ毎週通うことが出来る。
幸せだなぁ。

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2020.10.15

阿佐ヶ谷:「やの志ん」で昼酒 

阿佐ヶ谷駅周辺には、今まで確認しただけで6~7軒のお蕎麦屋さんがあるようです(チェーン店は除く)
蕎麦屋というと、
「ランチ時にササッと食べて帰る」
という利用法が一般的ですが、一人飲みの場合はやはり昼酒といきたいものです。

00_20200724103301 この日向かったのは、阿佐ヶ谷駅御南口から徒歩数分。住宅街の中にある「やの志ん」さんです。
店構えはいわゆる一軒家改築スタイル。
このスタイルのお店は一見敷居が高いように見えますが、入ってしまえば独特のリラックス空間が広がっているのです。
お店によっては改築どころか古い大きな民家の一部をほぼそのまま店舗として使用していて、床の間に掛け軸とか、部屋の隅に謎の置き物や民芸品が昔のまま置いてあったりすることもあります。

やの志んさんの場合はそこまで牧歌的ではなく、店舗空間はオシャレに改装されています。

ガラガラ・・・と引き戸を開けて。
「一人です。入れます?」

01_20200724103301カウンター席へ案内していただくと、まずは”ビール”
ツマミとして”板わさ”と”馬刺し”を注文。

このお店「やの志ん」は、お蕎麦屋さんというよりは蕎麦を中心とした料理屋といった方が良いかもしれません。
馬刺しは極上クラスで、これだけで十分に一杯やれる。
日本酒も十種類以上ラインナップされているので、この日はまずはスッキリシッカリ系である”真澄”をチョイス。

02_20200724103301お次は”蕎麦がき
モッチリした蕎麦がきを箸で切り分けて口へと運びます。

ウム、ウム、この素朴でしっかりとした歯ごたえ。

口の中でニュ~っと舌に押しつけて味わうこの感覚、久々です。
合わせるお酒は”東北泉
銘柄に土地の名前を使っているお酒って、昔その土地を訪れたときのことを思い出して、いいよなぁ~。

Photo_20200906080301 〆はもちろんお蕎麦で、”野菜天蕎麦
揚げたての天ぷらがたっぷりでもう完全に満腹。

蕎麦以外のお料理屋お酒もゆっくりと愉しみたい。
昼酒一軒家スタイルのゴキゲンなお蕎麦屋さんなのです。
注:夜も営業しています。

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2020.09.15

阿佐ヶ谷:やきとり 鳥久

Photo_20200809083701 セミの声もそろそろ聞こえなくなり、秋の虫たちが遠慮がちに鳴きだす季節。
この夜向かったのは「焼鳥 鳥久」です。
たくさんのお店がひしめく阿佐ヶ谷の飲み屋街の中でも、かなりの人気店といえます。
阿佐ヶ谷の他の飲み屋さん同様、鳥久も比較的お店が小さいので、満席で入れないこともしばしば。

「んー、もし満席だったら、別のお店へ、どこにしようかな・・・」
などと思案しつつ歩を進めると間もなくお店の前へ到着。

幸運なことにこの日のカウンター席の先客は一人だけ。

入り口付近のアルコールスプレーで手を消毒し、「一人ですけど」と伝えます。
家族経営のお店の明るい奥さんが「どうぞ、空いてますから」と白木のカウンターへ促してくれます。

私「ハツ、レバーを塩で、それからビンビールをお願いします。」

ビンビールをやりながら店内を観察。
カウンター席の背後にある小さなテーブル席はそれぞれ二人組みのお客で埋まり、カウンターの隣のお客さんは何か考え込むように白木の木目を見つめています。
小さなお店なのでお店の人の目が行き届かないということは無いのですが、みな好き勝手に注文するのではなく、タイミングを見計らって「注文いいです?○○と××。2本ずつで」といった感じでサッと注文。
間違っても呼びかけてから悩んだりはしていません。

焼き鳥屋さんというと典型的な大衆酒場の場合が多く、それ以外はいわゆるオシャレ焼き鳥のようなところになる傾向があると思います。
しかしこのお店「鳥久」は古くからの大人の酒場スタイルを守り抜いている、貴重なお店なのです。

大衆酒場のリラックス感ももちろん良いのだが、たまにはキリッとした酒場に行きたくなるものです。
グダグダと愚痴をこぼして長々と居座ったり、あるいは酒の力を借りて天下国家を語る無法者はおらず、基本的には皆静かに飲んでいる。
客同士も少しだけ気を使い、先輩を大切にする。
お店自体が、そんな良い先生になってくれる酒場なのです。

そして何より焼き鳥がウマイ!超絶ウマイのです。

焼き場担当は息子さんで、炭火を前にして黙々と注文をこなしています。

皮にはごく少量の塩しか振られておらず、カリカリでもニュルニュルでもない、素材のウマイ成分がジュワァ~と染み出た絶妙な焼き具合。
超レアに焼かれたレバーを口に入れれば、

「神様。ぼくはもう十分です」
とつぶやいて天国へ旅立ちそうになる恍惚状態が訪れます。

忘れてならないのは日本酒のラインナップもしっかりしていること。

02_20200809085601”大信州”など、スッキリ系からややしっかり系まで常時数種類揃っています。
こちらの担当はお父さんで、厚めのガラスのコップに静かに注いでくれるのがうれしい。
長野県や山梨県のお酒を良く見かけるのは、中央線沿線だからかな?と思いをめぐらせたりします。

かなりの常連と思われるお客さんでも「○○ちゃん、大きくなったでしょ」程度の会話でサラリと終わる。
つかず離れず、長話はしない。

おっと、コチラも長っ尻はいけない。
腹ごしらえが済んだらスッとお会計を済ませて、そろそろ二軒目へと向かいますか。

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2020.08.30

うなぎをツマミに一杯:阿佐ヶ谷 阿づ満や

暑いねぇ~。
こんな日はうなぎ屋で昼酒というのもオツなもんです。
ウナギというのはお値段がやや張るので毎週食べるわけにはいきませんが、やはり定期的に食べたくなる一品なのです。

この日、セミの鳴き声を背に向かったのは阿佐ヶ谷の人気店「阿づ満や」さん。
土用の丑の日はとうに過ぎたというのに、開店前にすでに数人のお客さんが待っています。
まもなく開店したので女将さんに。

「ひとりです。」
と告げてカウンターへ。

お目当ては”うな重・上”ですが、うな重が出来上がるまでの時間を考えて、同時に”肝煮”と”焼き鳥”も注文しておきます。
もちろんビールも注文し、一人飲みの準備が整いました。

瓶ビールをコップに注ぎ。

フハァ~~。

とビールため息。

いいねぇ~、午前中からの一杯は。

Photo_20200815074501 まもなく出てきた”肝煮”
材料といい味といい、まさに酒のツマミ以外の何物でもない物体です。こいつをつまみつつ、文庫本を読み始めます。
うなぎ屋さんの良いところは、”待つこと”。
うなぎは注文を受けてから捌くのでどうしても時間がかかります。
この待っている時間に他のツマミと酒をチョコチョコとやりつつ、リラックスして過ごすのが良いのです。
カウンターの隣の席では、六十代と思われるオジサンが、これもビールを飲りながら(やりながら)スポーツ新聞を広げています。
店内はやや混んできて、店員さんが客席と厨房を忙しそうに往復しています。

続いて出てきた”焼き鳥”と交互に味わいつつ、ビールを飲み進めます。

テーブル席では老夫婦か、これも静かにビールを飲っています。

Photo_20200815074502 そして登場した”うな重・上”けっこうアツアツのご飯の上に乗せられたウナギはしかりと蒸しあげられた関東風。
口に入れれば舌の上にネットリと貼りつくような食感がたまらない。
たれは甘すぎず、そして多すぎず、米粒の主張を妨げません。

あ~、ウメェ。

タマンネェ~。

あまりの旨さに、口だけでなく胃袋まで動き出すかのような至福の時間。
ご飯粒一つ残さないように美しく頂きます。

「うなぎは時間がかかる」とは書きましたが、阿づ満やのような大衆店では、待ちくたびれるほどの時間はかかりません。
よってうな重を食べ終わっても、最初にたのんだ”肝煮”はまだ残っているので、ここで冷酒を一杯。
”肝煮”とバッチリ合うのはやはり日本酒です。
またもや文庫本片手にチビリチビリと、小さな贅沢を味わうのでした。

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