2020.10.15

阿佐ヶ谷:「やの志ん」で昼酒 

阿佐ヶ谷駅周辺には、今まで確認しただけで6~7軒のお蕎麦屋さんがあるようです(チェーン店は除く)
蕎麦屋というと、
「ランチ時にササッと食べて帰る」
という利用法が一般的ですが、一人飲みの場合はやはり昼酒といきたいものです。

00_20200724103301 この日向かったのは、阿佐ヶ谷駅御南口から徒歩数分。住宅街の中にある「やの志ん」さんです。
店構えはいわゆる一軒家改築スタイル。
このスタイルのお店は一見敷居が高いように見えますが、入ってしまえば独特のリラックス空間が広がっているのです。
お店によっては改築どころか古い大きな民家の一部をほぼそのまま店舗として使用していて、床の間に掛け軸とか、部屋の隅に謎の置き物や民芸品が昔のまま置いてあったりすることもあります。

やの志んさんの場合はそこまで牧歌的ではなく、店舗空間はオシャレに改装されています。

ガラガラ・・・と引き戸を開けて。
「一人です。入れます?」

01_20200724103301カウンター席へ案内していただくと、まずは”ビール”
ツマミとして”板わさ”と”馬刺し”を注文。

このお店「やの志ん」は、お蕎麦屋さんというよりは蕎麦を中心とした料理屋といった方が良いかもしれません。
馬刺しは極上クラスで、これだけで十分に一杯やれる。
日本酒も十種類以上ラインナップされているので、この日はまずはスッキリシッカリ系である”真澄”をチョイス。

02_20200724103301お次は”蕎麦がき
モッチリした蕎麦がきを箸で切り分けて口へと運びます。

ウム、ウム、この素朴でしっかりとした歯ごたえ。

口の中でニュ~っと舌に押しつけて味わうこの感覚、久々です。
合わせるお酒は”東北泉
銘柄に土地の名前を使っているお酒って、昔その土地を訪れたときのことを思い出して、いいよなぁ~。

Photo_20200906080301 〆はもちろんお蕎麦で、”野菜天蕎麦
揚げたての天ぷらがたっぷりでもう完全に満腹。

蕎麦以外のお料理屋お酒もゆっくりと愉しみたい。
昼酒一軒家スタイルのゴキゲンなお蕎麦屋さんなのです。
注:夜も営業しています。

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2020.09.15

阿佐ヶ谷:やきとり 鳥久

Photo_20200809083701 セミの声もそろそろ聞こえなくなり、秋の虫たちが遠慮がちに鳴きだす季節。
この夜向かったのは「焼鳥 鳥久」です。
たくさんのお店がひしめく阿佐ヶ谷の飲み屋街の中でも、かなりの人気店といえます。
阿佐ヶ谷の他の飲み屋さん同様、鳥久も比較的お店が小さいので、満席で入れないこともしばしば。

「んー、もし満席だったら、別のお店へ、どこにしようかな・・・」
などと思案しつつ歩を進めると間もなくお店の前へ到着。

幸運なことにこの日のカウンター席の先客は一人だけ。

入り口付近のアルコールスプレーで手を消毒し、「一人ですけど」と伝えます。
家族経営のお店の明るい奥さんが「どうぞ、空いてますから」と白木のカウンターへ促してくれます。

私「ハツ、レバーを塩で、それからビンビールをお願いします。」

ビンビールをやりながら店内を観察。
カウンター席の背後にある小さなテーブル席はそれぞれ二人組みのお客で埋まり、カウンターの隣のお客さんは何か考え込むように白木の木目を見つめています。
小さなお店なのでお店の人の目が行き届かないということは無いのですが、みな好き勝手に注文するのではなく、タイミングを見計らって「注文いいです?○○と××。2本ずつで」といった感じでサッと注文。
間違っても呼びかけてから悩んだりはしていません。

焼き鳥屋さんというと典型的な大衆酒場の場合が多く、それ以外はいわゆるオシャレ焼き鳥のようなところになる傾向があると思います。
しかしこのお店「鳥久」は古くからの大人の酒場スタイルを守り抜いている、貴重なお店なのです。

大衆酒場のリラックス感ももちろん良いのだが、たまにはキリッとした酒場に行きたくなるものです。
グダグダと愚痴をこぼして長々と居座ったり、あるいは酒の力を借りて天下国家を語る無法者はおらず、基本的には皆静かに飲んでいる。
客同士も少しだけ気を使い、先輩を大切にする。
お店自体が、そんな良い先生になってくれる酒場なのです。

そして何より焼き鳥がウマイ!超絶ウマイのです。

焼き場担当は息子さんで、炭火を前にして黙々と注文をこなしています。

皮にはごく少量の塩しか振られておらず、カリカリでもニュルニュルでもない、素材のウマイ成分がジュワァ~と染み出た絶妙な焼き具合。
超レアに焼かれたレバーを口に入れれば、

「神様。ぼくはもう十分です」
とつぶやいて天国へ旅立ちそうになる恍惚状態が訪れます。

忘れてならないのは日本酒のラインナップもしっかりしていること。

02_20200809085601”大信州”など、スッキリ系からややしっかり系まで常時数種類揃っています。
こちらの担当はお父さんで、厚めのガラスのコップに静かに注いでくれるのがうれしい。
長野県や山梨県のお酒を良く見かけるのは、中央線沿線だからかな?と思いをめぐらせたりします。

かなりの常連と思われるお客さんでも「○○ちゃん、大きくなったでしょ」程度の会話でサラリと終わる。
つかず離れず、長話はしない。

おっと、コチラも長っ尻はいけない。
腹ごしらえが済んだらスッとお会計を済ませて、そろそろ二軒目へと向かいますか。

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2020.08.30

うなぎをツマミに一杯:阿佐ヶ谷 阿づ満や

暑いねぇ~。
こんな日はうなぎ屋で昼酒というのもオツなもんです。
ウナギというのはお値段がやや張るので毎週食べるわけにはいきませんが、やはり定期的に食べたくなる一品なのです。

この日、セミの鳴き声を背に向かったのは阿佐ヶ谷の人気店「阿づ満や」さん。
土用の丑の日はとうに過ぎたというのに、開店前にすでに数人のお客さんが待っています。
まもなく開店したので女将さんに。

「ひとりです。」
と告げてカウンターへ。

お目当ては”うな重・上”ですが、うな重が出来上がるまでの時間を考えて、同時に”肝煮”と”焼き鳥”も注文しておきます。
もちろんビールも注文し、一人飲みの準備が整いました。

瓶ビールをコップに注ぎ。

フハァ~~。

とビールため息。

いいねぇ~、午前中からの一杯は。

Photo_20200815074501 まもなく出てきた”肝煮”
材料といい味といい、まさに酒のツマミ以外の何物でもない物体です。こいつをつまみつつ、文庫本を読み始めます。
うなぎ屋さんの良いところは、”待つこと”。
うなぎは注文を受けてから捌くのでどうしても時間がかかります。
この待っている時間に他のツマミと酒をチョコチョコとやりつつ、リラックスして過ごすのが良いのです。
カウンターの隣の席では、六十代と思われるオジサンが、これもビールを飲りながら(やりながら)スポーツ新聞を広げています。
店内はやや混んできて、店員さんが客席と厨房を忙しそうに往復しています。

続いて出てきた”焼き鳥”と交互に味わいつつ、ビールを飲み進めます。

テーブル席では老夫婦か、これも静かにビールを飲っています。

Photo_20200815074502 そして登場した”うな重・上”けっこうアツアツのご飯の上に乗せられたウナギはしかりと蒸しあげられた関東風。
口に入れれば舌の上にネットリと貼りつくような食感がたまらない。
たれは甘すぎず、そして多すぎず、米粒の主張を妨げません。

あ~、ウメェ。

タマンネェ~。

あまりの旨さに、口だけでなく胃袋まで動き出すかのような至福の時間。
ご飯粒一つ残さないように美しく頂きます。

「うなぎは時間がかかる」とは書きましたが、阿づ満やのような大衆店では、待ちくたびれるほどの時間はかかりません。
よってうな重を食べ終わっても、最初にたのんだ”肝煮”はまだ残っているので、ここで冷酒を一杯。
”肝煮”とバッチリ合うのはやはり日本酒です。
またもや文庫本片手にチビリチビリと、小さな贅沢を味わうのでした。

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2020.08.02

阿佐ヶ谷:中華料理 三番で昼酒

Photo_20200719143401 長い梅雨も明けて夏の日差しが一気に強くなってきた日曜日。

この日向かったのは「中華料理 三番」いわゆる街中華のお店です。
このお店は阿佐ヶ谷の飲み屋街の一番端っこの、住宅街との境に位置しています。
決して派手ではない店がまえではありますが、それが逆に地域になじんで愛されていることの証明でもあります。

ガラリ・・・と引き戸を開けて、小さなテーブル席へと着席します。

中華のお店って、時々なぜか全体のスペースに合わない特大のテーブルと、それとは別に買ってきたチグハグなサイズの椅子がセットになっていて腰が落ち着かなかったり、あるいはテーブルやカウンターの上にやたらと物が置いてあったりすることがありますが、このお店は違います。
スッキリとした店内には小さなテーブル席がいくつか整然と並んでします。
壁にはおびただしい種類のメニューが貼ってありますが、これも全て同じ赤い紙に同じ高さになるように書かれています。
よく見ると鉛筆で下書きをしてから筆で描いたようで、こんなところにも仕事の丁寧さが見て取れて好感を持てます。


私:”瓶ビール”と”餃子”、あと”冷やし中華”をお願いします。

このお店の餃子は注文を受けた後に皮から作るので、ある程度時間がかかります。
そこでビールをやりながら文庫本(鬼平犯科帳)を読んで待つことにします。

グビ、グビ、プハァ~!
夏の日差しの中を歩いた分だけビールもウマイ。

しばらくして入ってきた二人連れは近所のご夫婦だと思いますが、やはりまずはビールを注文。
阿佐ヶ谷へ来て思ったのですが、昼酒に関してなかなか寛容なのです。
北九州でも昼酒をしている人(私とか)はいますが、周囲からやや批判的な視線を感じることもありました。
そんなときは、「遠山の金さんだって昼から酒を飲んでいるじゃあないか!特に杉良太郎バージョンは・・・」と心の中でお上の威光をかざしたりしたものでした。
それに比べて阿佐ヶ谷では、中年夫婦が余裕で一杯やっているあたり、酒好きにはたまらない、いい土地柄なのです。

そして到着した餃子。

モッチリした皮の中は、野菜中心の具がたっぷり。

こういう街中華は、なんと言っても安心感があります。

値段が高いということはないし、食べ方の分からない変わった料理もない。
味も誰にでもわかる味付けで確実にオイシイ。
広くないからお店の人の目も行き届いている。

和食のお店だと、料理は満足でも日本酒がイマイチでがっかりするパターンがありますが、私は中華の場合は最初からビール一辺倒に決めているのでその心配も無い。

その後に入ってきた三人組は会社員風(たいへんですね、日曜日なのに)
話しぶりからこのお店にはたびたび来ているようですが、そのうちの一人が餃子とチャーハンのどちらにするか散々迷ったあげく、最後になぜかワンタン麺を注文。(こういうヒト、いますよね)
静かな店内で他のお客さんを観察するのは実にオモシロイものです。

こちらはビールの残りを確認しつつ、冷やし中華に取り掛かりました。
冷やし中華も最近ありがちな”変わり冷やし中華”のようなものではなく、昭和の味を守り続けている感じがうれしい。

フゥ~。いい感じに満腹だ。

いくら昼酒に寛容とはいえ、飲み過ぎるのは御法度。

ブラブラ歩いて、特に意味もなく近くの公園の様子でもチェックして、家に帰ることにしたのでした。

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2020.07.21

阿佐ヶ谷:柿ざわ にて蕎麦屋酒

東京へ転勤したら思う存分食べたいと思っていたものが三つあります。

醤油ラーメン、マグロ、そして蕎麦です。

九州においてラーメンと言えばトンコツ。他の種類もあるにはありますが、圧倒的にトンコツラーメンが多く、逆に醤油ラーメンはかなりの少数派なのです。

マグロについても同様で、西日本はタイやヒラマサといった白身の魚が多く、なかでも海に囲まれた九州は地元産の魚介類がたいへん美味しいため、マグロのように遠くの海から冷凍して持ってきたモノは敬遠されるのです。
たまに近海で捕れたマグロが出ることもありますが、それはそれでお値段が・・・。
ということでマグロを思いっきり食べることが難しいのです。

蕎麦にいたっては更に難しくなっています。
ラーメンとうどんの小麦粉勢に押されてそもそもお店の数が少ないし、”麺類”というくくりで小麦粉勢のソウルフード的な低価格が基準となってしまいます。
よって蕎麦に関しても「何の変哲も無いお蕎麦屋さん」的なお店ばかりになってしまっているのです。

少々お高くても、季節のツマミと美味しい手打ち蕎麦。それにお酒。

というお店はなかなか無いのです。

しかし東京へ移ってからは状況が一変。
醤油ラーメンもマグロも、そして蕎麦もいつでも食すことが出来ます。
気がついたら月曜から金曜まで、昼か夜に必ず蕎麦を食べている週もあるほどです。

00 そんなある日、小雨の降るなか向かったのは阿佐ヶ谷にある蕎麦やさん「柿ざわ」です。

私:こんばんは。
と入店すると、奥から女性の店員さんが現れます。

私:ひとりです。
店員さんに促され、吸い込まれるように奥のカウンター席へと向かいます。
お店の造りとしては奥に長い構造ですが、店内の空気はスッキリとしており、カウンターやテーブルは当然ピカピカに磨き上げられています。
このような本各店ならではの”空気感”が、なんとも嬉しいものなのです。

01_20200718074301 まずは”ハートランド ビール”をお願いし、喉の疲れを癒します。

グビッ、グビッ・・・

シュワーッと炭酸が流れ、

フィ~!と、ビールため息をひとつ。
楽しい夜の始まりです。

02_20200718075101 ツマミは”小皿三種”からスタート。

6種類ある小皿料理から3種類。”パプリカとズッキーニの焼き浸し” ”水ナスの浅漬け” ”白瓜のカラスミ和え”を選択。

たまんないねぇ~。この風景。

酒宴の準備が整いました。

ハートランドを飲み干したらお次は日本酒です。

03_20200718075201日本酒は10種類くらい用意されており、片口で供されます。

まずは島根の”開春 純米超辛口”をオーダー。

おお~、なんかスゴイ酒器で出てきたゾ。

心躍らせながら開春を一口。

スッキリグイッと。
鳥取・島根・石川三県のお酒はまず間違いなく美味しいのです。

05_20200718075201

後からやってきた他のお客さんもお酒を頼んでいますが、皆静かに飲み、くつろぎ、あるいは語らっています。

小皿のツマミも少なくなってきたので、ここで”ハモの天麩羅”を注文。
まさしく季節のお料理を前に胃袋が動きます。

04_20200718075201

二杯目の日本酒は宮城の”伯楽星 純米吟醸”をチョイス。

このお酒も毎年ハイレベルを維持しているすばらしいお酒です。
艶やかな吟醸香と、涼しげな色の片口がジメジメとした長梅雨の雰囲気を追い払ってくれます。


06_20200718075201 注文のたびに女性店員さんがテキパキと対応していただけるので、リズム良く酒と肴をいただくことができます。
最後は当然お蕎麦で、”鴨せいろ”。
やや細切りでエッジのしっかりした蕎麦をたぐって〆たのでした。

ハートランドがある、日本酒は片口で供され、蕎麦がウマイ、接客も良い。

文句ナシのお店なのでした。

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2020.07.10

人情の街 阿佐ヶ谷

03_20200710090201 阿佐ヶ谷の夜の街。引き続き新規開拓を進めており、暖簾をくぐったお店はそろそろ二十軒になろうとしています。
阿佐ヶ谷の飲み屋街は比較的小さくて個性のある店がぎっしりと密集しており、行きたいと思うお店がまだまだいくらでもあるのです。

そんなある夜。

この日は朝から小雨が降っており、夜の新規開拓にはうってつけの天気です。そこでもちろん、また小さそうなお店に足を踏み入れてみました。

私:こんばんは。
女将さん:いらっしゃい。どうぞどこでも。

古そうな建物の薄暗い店内はカウンター6席と小さなテーブルが2つ。
飴色に染まった壁がこのお店の歴史を物語っているようです。
メニューに目を走らせると大物はなく、ちょっとしたツマミで一杯やるスタイルのお店のようです。
店内は女将さん一人。

私:えっと、飲み物は・・・。
女将さん:メニューの裏側に・・・。
私:なるほど、あっ!

メニューを裏返すとビンビール:ハートランドと目が合いました。
何度も言いますが、「ハートランドを置いているお店に、ダメな店は一軒も無い。」のです。
当然ハートランドをお願いし、ツマミも一品お願いします。

一杯目は女将さんが注いでくれました。

女将さんと世間話などをしつつ、日本酒へ移行。日本酒を二杯ほどとツマミをもう少しいただいて、そろそろ帰ろうとしたとき・・・



財布が無い。



ということに気づきました。
記憶をたどると会社のデスクの引き出しの中に置き忘れたようです。

んー、どうしよう。初めて入ったお店だし、マズイよなぁ~。
下手をしたら食い逃げで突き出される可能性もあるし・・・。

考えあぐねてついに女将さんに事実をお話しすることにしました。

私:あのー、実はコレコレシカジカで、お金がありません。

女将さん:アラアラ。まぁいいわよ、また今度で。

私:エッ?自宅が近いから一度帰ってですね・・・。


女将さん:いいわよ、雨も降っているし。


私:エエッ!だって今日初めて来たのに。ところでおいくらなんですか?


女将さん:う~んと、¥3,250ね。」


私:そうだ、もしものときの為に、名刺入れに千円札が一枚入っているんです。ひとます今夜はこれだけでも・・・。


女将さん:いいってば、明日の朝”もしものこと”があったら困るでしょ。



なんという出来事!

 


この夜は人情という隠し味に心を落ち着けられて家路に着いたのでした。

翌日は当然このお店にうかがい、「まずは昨日の分です。お騒がせしました。」と¥3,250をお支払いし、何事も無かったようにカウンター席に座り、また杯を傾けるのでした。

※本当の食い逃げ事件が起きるとお店に迷惑がかかるので、店名や具体的なメニューは伏せました。
※写真もお店の場所とは別の通りです。

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2020.06.29

阿佐ヶ谷新規開拓:さけ処 彦次郎

01_20200629214601 コロナによる緊急事態宣言も解除され、新天地である阿佐ヶ谷での新規開拓もボチボチ開始しています。
阿佐ヶ谷の街は「東西南北どちらに行っても良い飲み屋がある」と言われるほどの、天国のような街なのです。

一口に「良い店」といっても、何を基準に探すのか、そして入店を決めるのか。
会社の同僚や後輩から「良い店を紹介して下さい」などと言われると、とりあえず私の「地域別飲み屋名刺ファイル」を取り出してはみるものの、正直少し困ってしまうものなのです。
その人にとって、あるいはその場面によって、「良い店とは何なのか」が違ってくるからです。聞いてきた人の考えが明確になっていないと、お店の選びようが無いのです。
単に私の好みで紹介したところで、相手にとってはイマイチであったりする可能性はじゅうぶんにあるのです。
極端なことを言えば、「高級フランス料理が食べたい!」と思っている人には、私は紹介できるお店を一軒も知らないのです。

で、私自身はどんなお店が好きかと言いますと、居酒屋の場合以下の通りなのです。

・店はあまり広くなく、個人経営。
・料理は和食中心で季節の美味しいものがちょこちょこっと。もしもの時のために丼ものとか麺類もあるとありがたい。
・お酒は日本酒で、店主の好みの銘柄が数種類以上置いてある。
・ある程度長い年月営業している。
・金額は、日本酒三合くらいを含めて¥5,000~6,000程度。

他にもいろいろありますが、お店に入る前にある程度わかることとしてはこんな感じです。

店が広くないほうが静かで落ち着けるし、個人経営の方が店主の個性が出て味わいがある。
稀に店主が恐怖政治を敷いていたり、酒のウンチクをプロパガンダする店もあるがそれはそれ。
私自身の歳も五十に近づいたので、たくさん食べるよりは、少しで良いから美味しいものをいただきたい。
日本酒は好きだし、店主とのコミュニケーションのきっかけとしやすい。
きのう今日開店したお店よりは、地域で安定した経営を続けているお店の方が信用できる。
というわけです。

Photo_20200629102301thumb1 そして六月のある夜、阿佐ヶ谷の飲み屋街をブラブラと歩いていて見つけたお店が、「さけ処 彦次郎」です。

私:こんばんは(とドアを開け入る)
店主:いらっしゃい(と小さな声で)

まずは”生ビール”をお願いして店内を見回します。
先週に続いて二回目の訪問となったこの夜は先客も無く、カウンター席のみの店内は静かです。
しかし新参者としては入り口に近い席へと腰を下ろします。

ホワイトボードには”カツオ刺し・タタキ””アジフライ””トマトのチーズ焼き””うるか”等々のツマミ類が並び、”素麺”や”卵入りうどん”もあります。

私:えっと、”トマトのチーズ焼き”と”マグロ切り落とし”をお願いします。
小柄で白髪の店主:(中ジョッキを差し出しながら)雨、まだ降ってます?
私:ほとんど、やみましたよ。

といった感じでポツポツとした会話が始まります。

店主はおそらく、「この人、先週初めて来た客だな。今週も来たということは、ウチの店を気に入ったのかな?」などと考えをめぐらしているのかもしれません。
トマトのチーズ焼き”をつまみながらビールをグビグビ。
蒸し暑い宵の口には生ビールが活躍してくれます。
早速二杯目のビールと、”アジフライ”を注文。
アジフライに添えられた野菜にも、隠し味が秘められたようなドレッシングがかかっていて、一皿キレイにいただけます。

私:次は日本酒を・・・  と、店の奥にある日本酒メニューを見るために二三歩奥へ。
日本酒の銘柄は十種類くらい揃っていて、酔鯨、北雪、銀盤等々。
辛口、甘口、スッキリ、香りが良いなど、各種注文に答えるべく選んでいるようです。
そのなかから”大山”をオーダー。
片口で供された”大山”は私の好きな山形のお酒で、渋みを含んだ味わいが、マグロの脂をサラサラと洗い清めてくれます。

小さな店内でゆったりと流れる時間。
マグロを食べていると、関東に戻ってきたことを実感するなぁ~。

最後に頼んだお酒は”雪の茅舎

店主:日本酒。お好きなんですね。(じゃないと大山はダイセンと読む人が多いし、普通、ユキノボウシャは読めませんからね・・と思っていたら私の狙い通りだが・・・)
私:ええ、何でも飲みますけど、一番は日本酒かな。
店主:ご自宅にもお酒が?
私:冷蔵庫のサイズは、一升瓶に合わせて選びました。
店主:それはそれは(笑)

夜の深まりとともに、店主との距離感も少し近づいた。

そんな楽しい夜なのでした。

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2020.04.11

ベランダカウンター復活!

新型コロナの影響に伴う非常事態宣言以降、飲み屋街でも営業自粛のお店が大部分となっています。
私自身も外で飲むことは自粛しており、かなりの欲求不満が溜まっています。

 

こんなときは家飲みを充実させるに限ります。

 

もともと我が家には日本酒→冷蔵庫は一升瓶が入ることを基準に選定。ワイン→ワインクーラー所有。ウィスキーなど洋酒類→自作酒棚。によりお酒は十分に揃っているのです。これらを美味しくいただくためにはツマミも重要ですが、環境も重要。

 

ということでベランダカウンターを復活させることにしました。

 

小倉時代に始めたベランダカウンター。
マンションの9階からの景色を眺めつつ、休日にゆっくりとお酒を楽しんでいたのです。
今回の住居は南東の角部屋で、南側から東側へ長いベランダが続いているのです。もちろん日当たりは最高で、洗濯物を干しているときでもベランダに空きスペースが十分にあります。
04_20200410131801 カウンターと椅子は以前使っていたものをちゃんと持って来ていたので、天板と椅子の座面の木材にチークオイルを塗り込んで美観と耐久性をアップ。コンクリートの床面にウッドパネルを敷き詰めれば完成です。

 

 

02_20200410123701 この日の食卓はパスタにタコと野菜のマリネ、カマンベールチーズに味付けしたもの。そして良く冷やした白ワインで酒宴を張ることにしました。。

 

いやー気持ちがいい!

ワイングラスを透過した春の日差しがキラキラと輝いている。

 

ところで今度のベランダからの眺望はと言いますと・・・。

 

03_20200410123901 線路です。
鉄道です。
中央線・総武線の高架が良く見えるのです。

時々列車が通過すると、その昔立川や八王子地区を担当していたころを思い出し、特に特急列車が通ると、新潟出張時に直江津駅から長野→松本→八王子→相模線と乗り継いで自宅へ帰ったときのことなどを思い出します。
直江津・長野間は乗客も少なく、冬は全ての景色が雪に埋もれて押し黙ったように静かな時間が続きます。
そんな時、その週の仕事を反省したり思い悩んだりしていたこと、長野駅近くの地下の居酒屋で食べた美味しいキノコ鍋のことなどが思い出されます。

 

しかし・・・。

 

 

 

電車の数多いなぁ。

 

 

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2020.02.01

久々の秋葉原、昔懐かしの居酒屋へ・・・。

昨年の11月。久々の東京出張がありました。
東京の営業拠点に顔を出そうかとも思いましたが、やはりと言うかせっかくだからと言うか、自分の好きな店で自分のペースで飲み食いしたくなったのです。

 

そんなわけでこの夜はソロ活動。

 

向かったのは秋葉原の名店「季節料理 赤津加」です。

01_20200201113401 電気街でも特に賑々しいエリアの短い路地に、気をつけないと見落としてしまうような小さな引き戸の店がまえ。
東京勤務時代はほぼ毎週訪れていたこの居酒屋も、思えば十年以上顔を出していなかったことになります。
変化の早い東京の町。少し前にも、昔通っていた渋いBARがいつのまにかダーツバーに変わっていて落胆したことがありました。

 

「もしかして全然変わってしまっていたら・・・」

 

という不安が横切ります。

 

少し緊張しながら引き戸を開けます。

 

ガラリ・・・

 

開店間もない時刻と言うこともあり先客は一人。年季の入ったコの字型カウンターの隅で徳利を傾けています。
一歩二歩と踏み込むと、

 

「あら、お久しぶりよねぇ」という女性の声。

 

十数年前にカウンターの向こうでテキパキと働いていたYさんだ。

 

私:「十年以上ぶりです。」

 

促されて角の席に座ると、まずは”生ビール
一息ついて店内を見回せば、ピカピカに磨き上げられた飴色のカウンターも、モミジの巨木を使った柱も昔のままだ。
そして客層も変わっていない。50代くらいに見えるオッサン中心で、1人で飲んでいるか、多くても2人組の人が多い。

 

料理は”マグロのブツ”と”川海老唐揚げ”をオーダー。
関東に来たならマグロを注文してその良し悪しを見れば、そのお店の魚介類のレベルが分かるものなのです。
「赤津加」の”マグロのブツ”は文字通りブツ切りにした赤身。エッジがシャープで新鮮さを感じさせます。金さえ出せば誰でも手に入るトロなんか使わずとも十分な満足度を提供してくれるのがイイ。

”川海老唐揚げ”は美しいオレンジ色の川海老がパリッと揚げられて塩をふられた料理(素揚げに近い)ですが、私はこれにも多分ひと手間かかっているものと推測しています。なぜなら川海老のウデが無いからです。
時々一本か二本混ざっているウデを見ると海老はテナガエビだと思うのですが、ウデの部分は食べづらいか何かの理由で取り除いているのだと思う。

03_20200201112401 そんなことに考えをめぐらせながら、お酒は”熱燗”をお願いしました。
このお店の素敵なところは、ちゃんとした酒燗器を使ってYさんが一本づつお燗をつけてくれるところなのです。
普段は日本酒の銘柄にこだわる私も、赤津加においては”菊正宗の熱燗”だけで十分なのです(他の銘柄もいくつかあります)

続いてツマミはこの日のオススメから”里芋柚子塩唐揚”をチョイス。
気づけば六時を回り店内も忙しくなってきたようです。
思えば十数年前に通っていたころ、私は一度も名のってもいないし、誰かを連れて行ったこともない。宴会を開いたことも無い。Yさんと世間話をしたことも無い。
それはこのお店のピークが六時過ぎくらいで、いつも一番忙しい時間帯にわずかに空いたカウンター席に滑り込んでいたからなのです。
そして九州へ転勤することも特に告げずに姿を消したのです。

 

にもかかわらず私のことを覚えていてくれた。

 

その喜びに浸りつつ、最後に”熱燗”もう一本と”湯豆腐”をお願いし、この老舗酒場の雰囲気に抱きすくめられたのでした。

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2019.03.16

大阪出張 不毛の地で最高の一軒を見つけた夜。

時々ある大阪への出張。
本社での会議がメインであり、当然飲み会も予定されるワケです。
最果ての九州に勤務する身としては、本社での飲み会は貴重な情報交換の場であり大切にしたいもの。しかし年に何度もとなると、社内にネットワークを張り巡らすのも疲れてきたし、大勢での飲み会にも飽きてきた。

それに本社の近辺にはどうも良い居酒屋が無い。会社の連中はすぐ「王将」に行きたがるので自分で他の店を探してみたけれど、なにしろチェーン店ばかりである。駅の東側は過去にかなり歩いてみたけれど不毛地帯。犬死にでした。


今夜は独りで呑みたい。

そこでこの夜は西側を探索してみることにしました。

とりあえず何の当てもなくブラブラと、駅から遠ざかる方向へと歩きます。
しばらく歩くと下層が飲食店、上層がオフィスになっているやや古い感じのビルに、気になる看板を発見しました。

1_2おばんざいとお酒 うきわ」とあります。”おばんざい”は手作り料理がメインであることを、”お酒”と明確に書いてあるからにはある程度日本酒が揃っていることを連想させます。

看板の感じはフンワカとした感じで、この手のジャンルのお店にありがちな”酒 肴 順二”みたいなイカメシイ感じはありません。ビルも新しすぎず、かといって雑居ビルのような猥雑感もありません。階段を上り三階の店舗の様子をうかがってみることにしました。 

Photo_2 入り口の雰囲気は明るく、女性店主であることが予想されます。
地上階と違って新規飛込みの客は少ないであろうことを意識して、遠慮がちに扉を開きます。

私:「エッと、一人なんですけど、いいですか?」

女性店員さん:「どうぞ、どちらでも。」と明るい応対。

店内はカウンターが五席とテーブル席が二つ。通りに面した側の大きなガラス張りの前にもミニカウンター席があるようです。

カウンターの一番隅に座ると、”ハートランド・生”の文字が!

「この世界に絶対確実に100%のことなど存在しない」と哲学者は言いますが、私の経験上「キリンのハートランドを置いているお店は100%良い店だ」と言い切れるのです。しかもこのお店はを置いている!

迷うことなく”ハートランド・生”をオーダー。

ほどなく運ばれてきたハートランドは専用のジョッキで登場!
やがて訪れる幸せを予感させます。

グビ、グビ、グビ、プハァ~。


冷たいビールなのに体が温まります。

「お料理はおばんざいを三品または五品選んでいただいて、足りなければ他に追加も出来るんですよ。」と店員さん。

私:「ん~、では三品で、」

”イカと菜の花のペペロンチーノ”、”油揚げの鰯とチーズのはさみ焼き”他にミズナの和え物を選択してしばし店内を観察。
先客は会社帰りの二人組のみです。お店は女性二人で切り盛りしているようで清潔感のある内装。メニューを見ると季節の食材を使ったおばんざいの他に、蕎麦もあるようです。

Photo そうこうしているうちに”おばんざいの三種盛り”が登場。どれも手が込んでいて美味しそうです。味の方もメリハリが効いた酒好きにはたまらない美味しさ。

さてと、日本酒は・・・とメニューを見ると。”大七”、”大那”、”義侠”、”開運”、”雨後の月”とそうそうたる品揃え。
先ずははやる心を落ち着かせるために飲みなれた”開運 純米無濾過生酒”をお願いしました。
他のお客さんもチラホラとやってきた店内。おばんざい中心のメニューなので待たせることなくスムーズに回っています。

お次は”福祝 無濾過瓶燗一火”という初めて見た千葉のお酒をオーダー。
常連客からであろう電話に軽やかに対応する店主と思しき女性。
決して大きな顔をせずに飲んでいる客たち。
求めていた、活気がありつつも静かな酒場がここにはあります。

雰囲気、料理、ビール、日本酒。ここまで100点満点の展開に満足しつつ最後のオーダーをすることにしました。

私:「あの、お蕎麦を。それといいお酒揃ってますね。このラインナップだとお燗もOKですか?」

店員さん「もちろんです(笑顔)」

私「ではゼヒとも”大七”をぬる燗くらいで」

Photo_3 ほどなくして供された”大七 生酛純米”はなんとチロリで登場。

お蕎麦の方もよく締まった感じの十分満足のいく味わい。

あ~、地元だったら明日も来るのに。

独り呑みに最高の一軒を発見し、これからの大阪出張が楽しみになる一夜なのでした。

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