2016.12.03

山口県周南市。やっと見つけたいいお店。

山口県周南市。
この街に訪れるようになって九年目になります。しかしこれまでかなり探検したにもかかわらず、コレという居酒屋に出会うことが出来ずにいました。

地元の人が、
「三十年前は東京より人が多かった。」
と言う駅前のアーケードはすっかり寂れてしまい、いわゆるシャッター商店街です。

夜になれば意外に多くの飲食店が軒を連ねるものの、この街の特徴は何しろ単価の高いお店が多いこと。
聞くところによると大手企業の主力工場が立ち並ぶため、バブル時代には持て余した接待費で飲む人が大量に訪れ、勢いお店の方も単価を上げた名残なのだとか。
結局のところ地元は人口減、出張などで外から来る人間は外に飲みにいかないということになってしまったようです。

押し黙ったような夜の街。

それでも年に数回の宿泊時にはアチコチ歩き回り、昨年の秋ごろやっと良いお店を見つけたのです。

飲み屋の灯もそろそろ途切れ途切れとなり、住宅やオフィスが多い暗がりに入ろうかという境界線のあたりに、そのお店「豆福」はありました。(良いお店はだいたいこのような場所にあるようです)
Photo 暗い通りにほのかにこぼれ出る暖かい照明。
入り口付近に置かれた看板には小さめの字で「本日のオススメ料理」。
端の方には日本酒の紙箱がいくつか置かれています。
料理はどれもひと手間かかっていそうな感じだし、日本酒の紙箱の置き方や数は控えめながら、銘柄はしっかりとしている。

むぅ、これは期待できる。

そう確信して初めて入った夜のことを思い出しつつ、この夜も扉を開けました。

カウンター4席と他にテーブル席。
これらをすべてを合わせて10席と小さなお店です。

「あっ、いらっしゃい。」と小柄でいつもニコニコしている大将。
私:「寒くなりましたね。」
大:「そうですね。いつもご出張の度に寄っていただいてありがとうございます。」

まずは”キリン・クラッシックラガー”の小瓶と、ツマミは”生湯葉わさび醤油”。
カウンターの上の壁には日本酒のラベルがびっしりと貼り込まれ、その中には最近貼られたらしきものもいくつか・・・。
こんなところにも研究を怠らない店主の姿勢が表れているような気がします。

ビールで喉を潤したら、湯葉の歯応えを楽しみつつ、温かい料理を探します。

私:「”海老芋と椎茸の揚げだし”の海老芋というのはなんですか?」
大:「海老芋というのは京都のお芋で、里芋の大きいようなものです。」
私:「ホウ、ではそれをお願いします。」

里芋は私の大好物の一つ、良いお店ではいろいろと波長が合うものです。

お酒は最初はスッキリ目を期待して”菊姫・山廃純米 鶴乃里”を選択。

「熱いですよ」と供された、”海老芋と椎茸の揚げだし”はボリュームもそこそこあり、海老芋を箸で分けながらモグモグと味わいます。
確かに里芋の一種だとうなずきながら”菊姫”をスッと。
糸を引くような香りが残る銘酒を口に含むたびに、石川のお酒に外れは絶対にないことを確認。
そして早くも次のお酒の検討に入ります。
オススメの日本酒メニューから選んだのは”雪の茅舎”

大:「飲んでいただきたいと思っていたお酒をピンポイントで選んでくれますね(笑)」
私:「昔は仕事で秋田(雪の茅舎の産地)によく行っていたものですから。」

海老芋をたいらげ、あとはゆっくりと飲みたいと思い、定番のオツマミから”牛肉のしぐれ煮”を選択。
ピリリと山椒の効いたその味に合わせるのは、”貴・特別純米 ふかまり”をぬる燗で。

静かな店内で美味しいお料理と日本酒を楽しみ、体も暖まったところで二軒目へと向かうことにしました。

大:「このあとはウィスキーですか?」とまたニコニコ。
私:「ハハハ、図星です。」

と答えてBARへと向かったのでした。

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2016.01.24

昼酒の幸せ 「そば切り からに」

先週は金曜日に大阪への出張。
寒い寒い朝5時に起床し、夕方まで3つの会議、夜は夜で会社飲み会と、体力的になかなか厳しい一日なのでした。
その夜は日付が変わってから梅田のカプセルホテル「大東洋」に潜り込みました。
「カプセルホテル大東洋」は、チェックアウトが12時と遅いのがありがたい。翌朝は遅めの起床です。

向かったのは梅田から一駅、福島という駅を降りた静かな商店街。
福島聖天通商店街は、一直線に長く続く商店街なのですが、商店以外にも居酒屋、BAR、洋食屋さんなど食事系のお店も多く、しかもどのお店もなかなかの雰囲気。
特に居酒屋関係は、日本酒に力を入れていることが開店前の時間帯でもわかるほどです。

1その静かな商店街の一番奥に、「そば切り からに」はヒッソリと佇んでいます。

引き戸を開けて入ると、まだ先客は無し。
イカツイ感じのご主人と、明るく美人の奥さんが迎えてくれます。

奥さんに、「どちらでもどうぞ~~。」
と促されて、真ん中の大きなテーブル席のひとつに腰掛けます。
まずは”ハートランド”をお願いして一息。
2ごく薄いグラスでいただく午前中からのビール。

至福の瞬間です。

静かな店内には古民家の廃材などを美しく蘇えらせたテーブルや椅子、棚などが据えられ、それらの微妙な木目や古い傷などが目を楽しませてくれます。
ハートランドを飲み干したら、”子持ちコンニャク”と日本酒をお願いします。
お酒はお店にお任せで順番に出てくるシステムとなっていて、この日の一杯目は石川県の”手取川”です。
プルルンとした子持ちコンニャクにスッキリとした手取川。
ゆっくりと味わっていると、徐々に他のお客さんもやって来ました。
ほとんどの客はまずお酒を注文するという本格派で、皆節度を持って飲んでおられます。

3お次は”豆腐のもろみ漬け”をお願いしました。
濃厚なお味で少し冷たくしてある”豆腐のもろみ漬け”は、いうまでも無く日本酒を友とせねばなりません。
お酒は”陸奥八仙”が登場しました。
お酒が片口で供されるのもこのお店の素敵なところ。
どこかの古道具屋で仕入れているらしい酒器たちも魅力的です。

あぁこのすばらしい雰囲気のお店にもっと浸かっていたい。

そんな気持ちになりもう一品。”にぎり天”とお酒は”国権

4最後にお蕎麦は”かも汁せいろ”の細切り。
蕎麦から漂う香りもすばらしいが、細切りの角のシャープさがこれまた素晴らしい。

寒い冬空の下を歩いて帰るのに備え、最後はかも汁を熱~い蕎麦湯で割っていただきました。

いつか大阪に住むなら、絶対にこの町に住みたい。
そんな思いを胸に帰りの新幹線へと向かったのでした。


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2015.11.01

熊本の夜。大満足で二夜連続

先週は久々に熊本へ出張してきました。
夕方に新幹線で移動して先乗りしていた若手社員Nと合流。Nが予約していたはずのビジネスホテルへ向かいますが、Nの手違いで予約はされておらず、しかもホテルは満室。
そこで急遽カプセルホテルへと向かいます。

「スイマセン・・・」とうなだれるNですが、カプセルホテル好きの私としてはなんら問題ありません。そそくさとチェックインを済ませて繁華街へと向かいます。(ほとんどのカプセルは繁華街の直近にあるものなのです)

某口コミサイトで本日のお店を決めようとするNを、
「ダメダメ、そんなのまったく当てにならないから。」
と制し、自らのアンテナを働かせながら歩いていきます。

建ち並ぶ飲食店ビル。
大きなお店が入っている建物はスルーして、小さなお店が集まっていそうなビルを一つ一つチェックしていきます。
ビル内の路地ともいえるような通路を覗き込むと、居酒屋、寿司屋、スナック、パブ、カフェなど様々な種類のお店が集まっていて、歴史のある観光都市ならではの味わいが感じられます。

そんなビルのひとつ。
Photo_3奥の方を覗き込むと一番奥に良さそうな感じの扉が・・・。
あらためて入り口付近を見ると、「郷土料理のお店です」と手作り風のボードと、手書きの「今日のオススメメニュー」。
この手の手作り看板のデキというのはお店を判断する重要な要素であって、完全シロート手作り風のチャチなのを貼っているお店はダメ。逆に業者お仕着せの味気ないものもダメ。
このお店は”デザインの心得がある友達にお願いした”感じ(あくまで想像ですが)であり、手書きの文字も丁寧で好感がもてます。
ビルの壁に取り付けられた正式な看板には”馳走庵 ばあば”とあります。
「馳走」という単語からは、美味しい食べ物のあるお店であろうことが、
「庵」という文字からは、それほど広くないお店であることが想像されます。

私:「ここだ、ここにしよう。」

奥の扉を開けると、5席くらいのカウンターと、テーブル席が3つほどの店内。
先客はなし。
白い割烹着の女将さんが、「どこでもどうぞ~」と促してくれるので、私とNは奥のテーブル席へ腰を落ち着けます。

そしてまずは”生ビール

私:「あーウマい。ホテルが変わったおかげで歩いたから余計にウマい。」
N:「スンマセン・・・。」
私:「別にいいよ、オレはカプセル好きだし。」

などと話しつつ、せっかくなので熊本名物を注文します。
”馬刺しの盛り合わせ””辛子レンコン”をお願いします。
すると女将さんが、
「辛子レンコンはこれから揚げるので少し時間が掛かりますがよろしいですか?」
我々:「いいですとも、いいですとも。」

(そうか、辛子レンコンというのは揚げて作るのかと初めて知る)
私:「念のため、エ~ット、すぐ来そうな”ポテサラ”もお願いします。」

早速出てきた”ポテサラ”をいただくと、フワフワした食感にしっかりとした味。
もちろん手作りです。

Photoツヤツヤの”馬刺し盛り合わせ”が来るころには”生ビール”も二杯目が終わろうとしていました。
あらためて店内を見回すと、カウンターには四十代後半とおぼしき男性客と、二十代後半から三十代前半と思われる女性客が、それぞれ一人でカウンターの両端に。
大将は相川翔に似た感じで、一人客の相手をしながら働いています。

ん~、やはりいい店だ。
店もよいが客層も良い。


壁を見ると生ビールは三杯目からジョッキが「大」になると書いてある。
もちろん三杯目をお願いし、まもなく”辛子レンコン”が出てきました。
Nが早速口に運びガブリ。

N:「ウマイ!ウマいっすよコレッ!」
私:「どれどれ・・・、オオッ!確かにウマいッ!」


Photo_2ほのかな温かさに、上品な辛味が味覚中枢を直撃します。
正直なところ辛子レンコンというのは、辛いばかりで特に好物ではなかったのですが、このお店の辛子レンコンは激ウマです。
これを頂いたらもう高速のサービスエリアで売っている辛子レンコンは食べられません。
もちろんビールとの相性もバッチリデす。

私:「あの~、日本酒とかもあるんですか?」
女将さん:「ありますよ、え~と、熊本のお酒ですと”泰斗”というのがあります。」
私:「それ、お願いします。」


つまみは”おにしめ”(里芋や野菜を煮たもの)で、地元のお酒を味わいます。
日本酒は他にも山形の”ばくれん”など数種類を置いてあって、これまた十分に楽しめます。
聞くところによると「ばあば」という店名は「おばあさん」という意味で、以前は大将のお母さんがメインでやっていたのだとか。
現在も”おにしめ”などの家庭風料理はお作りになっているようです。

帰り際に大将に、「明日も来るからね。」
と言い残し、実際に翌日の夜も訪れ、しかも前日とほとんど同じものを注文したのでした。

記憶の中にいつまでも確実に残るお店。
そんなお店を見つけることも、出張の醍醐味なのです。


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2014.08.15

お盆の長旅その2 仙台

今回の帰省ではたまたま日程が仕事と重なったため、小倉~新大阪間の交通費は会社の経費でまかなわれています。
その浮いた交通費を東京~仙台間へと投入したのです。

ホテルに到着し荷物を降ろすと、懐かしの仙台の街へと歩き出します。
久々に訪れた仙台。ウワサには聞いていましたが、震災の復興関連で人が集まっているためかなりの賑わいです。
九州へ転勤する前はほぼ毎月訪れていましたが、その前後から小さな横丁の再開発なども始まっていただけに、いまはどうなっているのか少し心配です。

2あったあった、文化横丁
照明の明るいアーケードから一歩入ると、薄暗い横丁には昔と同じで味わい深い感じのお店が連なっています。「月のうさぎ」「高山酒場」そして「源氏」。記憶の中に閉じ込められていたお店たちは、大部分が昔と変わらず看板を掲げています。なつかしいなぁ~。

一安心したら一番の繁華街である国分町方面へと向かいます。
夜の街も相当な人出ですが、ネオン街の看板を見ている間に昔の土地勘も戻ってきました。
Photoひとまず虎屋横丁と稲荷小路の交差点へと到着。
国分町のランドマークといえば、この交差点か凱旋門ビルでしょう。
交差点からすぐ近くに、今回お目当てのお店である「BAR THE ROTHKO」があります。
以前は文化横丁の地下にあって、いわゆる隠れ家的な要素のあるお店だったのですが、ビルの三階に移転したということはおそらく雰囲気も少し変わっているかもしれません。

エレベーターを降りるとガラスの扉。
その扉を開けると、早速マスターのMさんが出迎えてくれました。

マ:「オーッ、FUKAWAさん待ってましたよ。」

私:「久しぶりですね、六年ぶりかなぁ。」

Photo_2まずは”ジン・トニック”をお願いして店内を見渡します。
スタイリッシュなカウンターと照明。早い時間帯であるためか、他のお客さんはいません。

私:「ビルの三階のお店らしい雰囲気ですね。」

マ:「まぁネ、最初はいろいろ言うお客さんもいましたけれど。」

東北最大の歓楽街である国分町のど真ん中で、Mさんは理想のお店を具現化したのだろう。出世したMさんとお店に、胸の中で拍手です。

続いて”ホワイトレディー”をお願いすると、シェイカーを耳に近づけて音を聞き分けながらのシェイク。そのスタイルは昔と同じで変わっていない。
会話の中でも、「まぁ大人がお酒を飲みに来る所ですからね。その辺はお互いわかってもらわないと。」とか「自分、組織とか苦手なんッスよ」と、考え方も昔とちっとも変わっていない。

2_2ひとしきりおしゃべりした後、”雪国”をお願いすると、見たことがあるようなグラスが・・・

私:「銀座のモーリバーみたいなグラスですね。」

マ:「そうです、毛利さんところのオリジナル。自分は通販で買いましたけど(笑)」

私:(笑)

Photo_3久々に訪れた仙台の街。
最後はこれまたあのころと同じく、「姫らーめん」で〆たのでした。(そして今回もまた、なぜ”姫”なのかを聞くのを忘れてしまったのでした)



Photo_4追伸
翌日は仙台のボルダリングジムでひと汗流して、ようやく実家へと向かったのでした。






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2014.08.14

お盆の長旅その1 東京

今回の帰省は、まず仕事がらみの出張があり、そのまま実家に戻るという交通費節約コースです。

1日目:小倉→徳山→倉敷
2日目:倉敷→大阪(ココまで仕事)→東京
3日目:東京→仙台
4日目:仙台→実家(神奈川)

という行程で、JRは西日本・東海・東日本が混合し、途中でレンタカーも借りるという本格的な出張&帰省。
昔はこの程度の出張の段取りはホイホイと組んでいたのですが、久々ということもありキップやホテルの予約を何度も確認。
少々ドキドキしながらの出発となりました。

一夜目、初の宿泊で期待していた倉敷は運悪くガッカリ。
一軒目に飛び込みで入った居酒屋は、この夜たまたまだと思うのですが異様に声の大きい団体客が入っており落ち着かず、二軒目に目指したバーも、接客面がどうもいまひとつ。期待はもろくも崩れ去ったのでした。

Photoいろいろワケありな感じなネーミングの、古い商店街を発見したのが唯一の救いです。





気を取り直して翌日は倉敷から大阪、そして東京へ移動し、馴染みのバーを二軒定期訪問。
十分に満足してカプセルホテルへと転がり込んだのでした。

Photo_2翌朝目覚めると、生暖かい風の中向かったのは「眠庵
カウンター席へうながされると、まずは”ハートランド”と”牛肉と大根のバーボン煮”を注文。
小さめのコップでグイッと飲むと、ハートランドの切れがのどを潤してくれます。
準備運動が済んだら”自家製お豆腐”を注文。
自家製のお豆腐は出来立てホヤホヤの温かいのも良いですが、この日のように冷えて少し締まったのもヨロシイ。お酒はこのお店の主軸である”喜久酔 普通酒”で、気分は東京勤務時代へとタイムスリップです。

お豆腐をチビチビやりながら、お酒は二杯目の”小夜衣 純米吟醸”へと移行。
スッキリしてのど越しのよいお酒が、山奥の小さな滝のようにスルスルと胃袋へ流れ落ちます。
Photo_3お次は”イカ(小)”をお願いし、合わせるのは”杉錦 純米吟醸無濾過生原酒”この日のイカにはいつも以上にワタが入っていて、切れ目からジュクジュクと溢れ出てくるほどです。それを日本酒でキュッと流す。

たまんねぇ~。

濃厚なイカのワタは、口の中に軽い痺れをもたらしますが、舌の痺れを癒すように日本酒がしみ込んできます。
Photo_4最後に盛り蕎麦の”二種盛り”をお願いし、産地の違う御蕎麦の香りをクンクンと嗅ぎ、

「眠庵だなぁ~」

と極めて当たり前な感慨に浸ります。
時刻は二時半。
お店も少し暇になってきたところで、店主のYさんと話でもしようかと思いましたが、今回はここで終了。
本格的に酔っ払わないうちに仙台へと向かったのでした。

※お酒の細かいグレードは一部忘れてしまったので不正確です。

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2013.09.22

大分の夜 ひとりフラフラ新規開拓

久々の大分出張。
しかも宿泊ありでの訪問です。
しかしながら到着が遅くなることがわかり、晩飯は途中のレストランで済ませました。
夜10時過ぎ、ホテルに到着し荷物を降ろすと、早速大分の繁華街へと向かいます。

「この時間だと、行けても2件か・・・。」

失敗はしたくないとの思いから、まずは過去に何度か訪問したことのあるお店へと向かいます。
その後、新たなお店を開拓しようと繁華街の中心を歩いてみたのですが、どうもコレというお店が視界に入ってきません。
そもそも大分の飲み屋街は客引きも多く、ブラブラと歩きにくいのです。

こんなときは飲み屋街の中心地から離れてみるのに限ります。

前回来たときは飲み屋街からオフィス街へと向かう方向で良いお店を発見したのですが、今回は駅の方向へと向かってみることにしました。

駅へと向かう道は商店街のアーケードへと通じており、どちらかというと飲食店よりも洋服や雑貨を売るお店が多い感じです。
したがってこの時間は明かりを落としたお店が多く、ヒッソリとしています。

そんなアーケードへと入り込む直前。小さなビルの2階に灯る明かりが目に入りました。

窓から見える棚にはお酒が並んでいるように見えますが、どこにも看板が出ていません。
吸い寄せられるように近づいてみると、ビル自体はわりと古いようで、3階建ての小さな建物です。
建物の中央に幅が広めの階段があり、飲食店よりは会社の事務所が入居するタイプの建物のようです。

小さな看板でも出ていないかと周囲を確認しますが、やはり看板は無し。

そもそもBARなんだろうか?

ビルの階段を2階へと上ってみると右側は何かの事務所で、3階は「居住スペースにつき立ち入り禁止」とあります。
その2階の左側に目をやると、意外なことに透明なガラス主体の扉が・・・。
そしてその奥には、しっかりとBARの風情が見て取れます。

迷わず扉を開きます。

ギッ・・・。

温かい照明に照らし出された店内には、女性のバーテンダーが一人。

バ:「いらっしゃいませ」

私:「どこでも・・・(と席を見渡し)いいですか?」

バ:「ええ、どうぞお好きなところへ。」

直線のカウンターには、黒い服を着た比較的若い先客が一人のみ。
奥には小さなテーブル席があり、しばらく盛り上がっていましたが、まもなくお開きとなったようで、あとは静かな時間が流れます。

バ:「ご出張か何かで?」

私:「ええ、小倉からです。一件目はCASKさんへ行ってきました。」

初めてのお店では簡単な自己紹介をした方が良いものです。
それをしないとお互いに探り合いみたいになってしまって、どうもぎこちなくなってしまうことがあるのです。
特に女性一人でやっているお店ではなおさらで、知らない男性客は警戒されてしまうのです。

自己紹介を終えたところで、まずは”ジン・トニック”をお願いしてみます。
供された”ジン・トニック”は、ライムの爽やかな香りと果汁の味がしっかりと感じられる、「これぞBARでいただくジン・トニック」と言える美味しさです。

女性バーテンダーにお話を聞くと、若いころ小倉でお酒を覚えて以来、徐々にBARの世界にはまって行き、いろいろなお店での修業を経て2年前にこのお店を開業したそうです。

お次は”ラム・トニック”をいただきながら、大分の様々なお店について教えていただきました。

バ:昔は朝まで飲んでいたこともあるんですよ。

とのことで、さすがに情報量は豊富です。
壁に貼られたメニューには、気の利いたオツマミもあり、その中から”牡蠣のオイル漬け”をお願いし、お酒は”ラフロイグ”をストレートで。
牡蠣とアイラモルト。黄金タッグを味わいつつ、すばらしいお店を発見した満足感にひたります。

知らない街で、新しいお店を開拓する。
それも出張の醍醐味のひとつなのです。

※看板が出ていなかったので、店名は伏せました。


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2012.11.17

大阪→鳥取→島根の旅

今週は木曜日に大阪への出張が入りました。そこで金曜日は休暇をとって、金・土・日曜日を使い鳥取・島根周りで帰ることを思いついたのです。
というのも私の人生の目標の一つに、「47都道府県全てでお酒を飲む」というのがあり、鳥取・島根両県はまだ制覇してい府県に含まれていたのです。

Augusta初日の夜は大阪泊。
仕事を終えるといそいそと目をつけていた居酒屋へ向かったものの、どうやらお休みの様子。別のお店にも行ってみましたが、なんとこちらも定休日。知らない街で重たい荷物が肩に食い込みます。

「飯はもういいや」とあきらめて、当初は二軒目でお邪魔する予定だった「BAR AUGUSTA」へと向かいました。
BARとしては比較的早い時間に入ったこともあり、先客は無し。
まずは”ワイルド・ジントニック”で喉を潤します。

ん~、ウマイ。

ほとんど一気に飲み干して、思わずお代わり。

マスター:かなり喉が渇いていたようですね。

私:ええまあ。しかしやっぱり本家のは美味しいですね。

”ワイルド・ジントニック”というのはこのお店のオリジナルで、ジントニックにバーボンのワイルドターキーを10cc加えたもの。
ワイルドターキーのほのかな甘みと、ウィスキーの風味が軽いボディーブローのように腹に響くのが魅力です。

マ:ウチ以外でもお出しする店があるんですか?

私:ええ、私が北九州で広めています。

三杯目は”マルガリータ
テキーラのメーカーから入手したらしい、メキシコの帽子の形をしたグラスで出してくれるところがオシャレです。
最後は”マティーニ
空きっ腹に強いさお酒がキューッとしみ込みます。

Photoこの夜は一軒のみで終了。
カプセルホテル大東洋の大広間で、まったりと腹ごしらえをしたのでした。

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2012.01.14

長崎出張で、激ウマ中華料理

今週は日帰りで長崎へ出張。
その長崎で、ぜひ行きたかったのが、「中華料理 永楽苑」です。
このお店は、長崎担当の営業マンが取引先の社長さんから教えていただいたお店なのですが、中華料理といってもいわゆる長崎の中華街にあるのではなく、長崎県庁の近くにあります。
狭い間口には、ありふれた黄色の看板に赤い字で「中華料理 永楽苑」とあり、極めて大衆的な店構えです。

 ・美味しいものをたくさん食べていそうな人に教えていただいた。
 ・場所が県庁の近く。
 ・間口が小さい。

と、「良い店に違いない条件」を3つも揃えているのです。

狭い入り口を入ると、最初はラーメン屋のようなカウンター席、そこは既に満席なので、カウンター席の後ろの狭いスペースをカニの様に横歩きして奥へ。
奥の厨房脇の通路を通って更に奥へ奥へと進むと、やがて座敷席が現れます。
まさにウナギの寝床のような構造なのです。

この永楽苑、実は以前も一度昼飯を食べに寄ったことがあります。
そのときは、何をたのんだら良いのかわからないので、とりあえず”特製チャンポン”をお願いしました。
その”特製ちゃんぽん”のウマさにもビックリしたのですが、もっとビックリしたのは後からドッと押し寄せた地元のお客さんたちのほとんどが”シイタケ肉そば”という料理を注文していたこと。

客:「シイタケ肉そば」
次の客:「シイタケ肉そば!」
次の客:「シイタケ肉そば2つ」
また次の客:「シイタケ肉そばネ」

といった具合です。

それ以来、”永楽苑のシイタケ肉そば”のことがずっと気になっていたのです。

Photoそしていよいよやってきた”シイタケ肉そば
意外にもシンプルな外観です。
スライスしたシイタケがどっさりと入っているものを想像していましたが、実際は丸のままのシイタケが4つ。
肉も挽肉かと思っていたのですが、バラ肉のようです。
早速一口・・・

う・・・旨いっ!

アツアツのスープはとろみがついていて、細めの縮れ麺にしっかりと絡んできます。
味付けはチャンポン風で、鶏がら風味の奥からシイタケの風味が上品に顔をのぞかせます。
とろみがあるおかげで、アツアツ状態が長く続きます。

肝心のシイタケですが、肉厚で絶妙な歯応え。

あまりのウマさに、勢いよく食べ過ぎて口の中を少し火傷してしまいました(苦笑)

”特製チャンポン”も美味しかったけれど”シイタケ肉そば”もモンゼツ級のウマさです。

気が付けば周囲のお客さんも続々と”シイタケ肉そば”を注文。
中にはトロロ昆布のようなもので覆われた謎のオニギリにパクついている人もいる。

金額も\580と大衆的で、どこか懐かしさの残る味と雰囲気。
次回はぜひ、あの謎のオニギリを試してみたいと思います。

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2011.12.11

今年最後の大阪出張「そば切り からに」

Photo今年最後の大阪出張。
寒風吹きすさぶ中向かったのは、「そば切り からに」です。
JR福島駅で降りると、かつて見覚えのある商店街。
狭い通りの両側には、金物屋、クリーニング店、本屋など、地域に密着した商店に混じりながら、こじんまりとして良さそ~な居酒屋が何軒も軒を連ねています。

一度、夜にも来てみたいなぁ・・・。

などと思いつつ歩いていくと、長い商店街の一番奥の方に現れたのが、「そば切り からに」です。

こんにちは~

と、引き戸を開けて入ると、一枚板の大き目のテーブルには、先客が二人。

地元のベテランらしき初老の紳士と、30代前半と思われる男性が、それぞれ静かに飲んでいます。

二人とも、いい感じだ。

まずは”ビール
薄いグラスで供されたハートランド
最初にお願いした”子持ちコンニャク”の独特の食感と、腹ごしらえのために頼んだにぎり天”の紅生姜の風味を実感しつつ、久しぶりの店内を見回します。

バケツに足をつけた独特の椅子や、天井に掲げられた前衛的な絵画を眺めたり、ガラスの向こうを行き来する近所の人たちを見たり・・・

先程の初老の紳士が、最小限の動作で合図するのを見逃さない女将さん。
いかにも蕎麦屋らしい、ストイックな感じのご主人。

Photo_2そんな風景に満足しながらお酒をお願いしたところ、愛媛の”川亀”というお酒が出てきました。
盃は選ばせていただけるので、私の好きな、内側にも模様の描かれた盃をチョイス。
お店の正面のガラスから差し込む陽の光が、昼酒をさりげなく演出してくれます。

 

Photo_3最後にお蕎麦荒挽き”を大盛りでお願いすると、香りたっぷりのお蕎麦が登場。
荒挽きらしく、御蕎麦の一本一本にポツポツと””が際立っています。

心地よい店内で、心地よいお酒と肴、そしてお蕎麦、味わいのある商店街。

まさに至福の時間を過ごし、今年最後の大阪の街を堪能したのでした。

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2011.06.20

ほぼ一年ぶりの鹿児島の夜

先週は久々に鹿児島へ行ってきました。
鹿児島と言えば前回最後に良さそうなエリアを発見したので、今回はかなり期待度大なのです。
仕事を終えてホテルに到着。
ホテルはもちろん、鹿児島の飲食街である天文館の中心に位置する所を取りました。
しかし今回は、前回の教訓を元に、飲食街の中心地からは少し離れた場所へと向かいます。
一軒目は特にコレと言ったお店を目指していたわけではないのですが、ある路地へ足を踏み入れたとたん、とんでもなく魅力的な看板が目に飛び込んできました。
Photo湯どうふ ごん兵衛」です。
このブログで何回も何回も言っていますが、私は大の湯豆腐好き。
その湯豆腐をメインにしているお店に出会うなんて!
しかもお店を外から眺めると、かなり歴史のありそうな、それでいて大衆的なお店のようです。

暖簾をくぐると、コの字型のカウンターがあり、先客は二人。
カウンターの奥にはチャキチャキとした小奇麗な女将さんがいて、

「そちらの席にどうぞ」

と案内してくれます。

女将:「なににしましょうか?」

私:「えーっとオススメは・・・。初めて来たんですけれど。」 (やや緊張気味に)

女将:「”ウナギの肝の串”なんかいかがですか?」

私:「あっ、それお願いします。あとネギマもお願いします。」

女将:「ハイ、それじゃやウナギの肝とネギマ、それと湯豆腐鍋でいいわね。」

そう言うと、そそくさと奥の厨房へ注文を伝えに行く女将さん。

戻ってきた女将さんに、まずは北九州から出張できたことを説明(初めてのお店、なかでも女性が一人でやっているお店では自己紹介をすることが大切です)し、店内を見回します。
茶色に変色した地元の名士が書いた(?)俳句などがたくさん張ってあって、このお店の長い歴史を感じさせます。

私:「ずいぶん古くからやっていそうなお店ですね。」

女将:「ここに来てから60年くらい。お店を始めてからだと90年くらいなのよ。」

私:「フェ~、それはスゴイ。」

ウナギの肝”を食べながら隣の地元のお客さんとも話しこんでいると、”湯どうふ鍋”が登場。

コチラのお店は各席に小形のガスコンロが設置されていて、各々一人鍋というスタイル。
登場した”湯どうふ鍋”はわりと大きくて、豆腐以外の各種具も豊富です。
アツアツのお豆腐にハフハフと言いながら、昆布出汁のスープまで全て美味しく頂きました。
大満足の後、女将さんにいつかの再会を誓って、二軒目へと向かいます。

Photo_2二軒目は昨年も訪れた、「Bar 魔の巣」です。
マスターのカチッとした接客は相変わらず。

マ:「たしか・・・以前も一度いらっしゃいましたよね?」

私:「ええ、約一年前に北九州から。そのときカウンターに置いてあった「いい酒の、いい飲り方」という本を、その後購入しました」

などと話しつつ、南国の夜は深い闇へと溶けていくのでした。

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