2007.03.01

札幌、たこマンマに出会った夜

思いがけず二度目の札幌出張となりました。
新しいお店も開拓したいけれど、めったに来ることが出来ないだけに外れクジも引きたく無い。

Anpon21というわけで向かったのは前回と同じ居酒屋”あんぽん
お店に入ると銀髪の女将さんがカウンターの中から、

「どうぞ、どこでも、正面がいいかしらね。」

と案内してくれた。
前回来たときはけっこう賑わっていたけれど、今夜は先客が一人だけ。
静かに飲んでいる。

「んっと、ビール下さい。サッポロで。」

壁に貼られたメニューの短冊や、「本日のオススメ」などを眺めながらホッと一息。
暖冬とはいえやはり札幌の夜は寒い。年季の入ったカウンター、割烹着の女将さん、このお店の店内が暖かく感じるのは暖房のせいだけではないだろう。

「何になさいましょう。」と女将さん。
「それじゃぁ、”たこマンマ刺し”と”しめじバター”をお願いします。」

”たこマンマ刺し”というのは何だか分からないけれど、「タコならたぶんウマイだろう」と思って注文してみた。
Anpon22間もなくして登場したのはカクテルグラスに入ったトコロテンのような物体。私の頭の上に?マークが出ているのに気付いた女将さんが、

「たこマンマです。タコの卵でしてね、卵の形がご飯つぶみたいな形をしているから、港の人たちが”マンマ”と呼んでいるんですよ。」
と上品に説明してくれた。

へぇ~、最初から珍しいものが登場したぞ。早速ひと口・・・、ツルリ。

ウマァ!こりゃぁウマイ!

思ったほどプチプチ感は無く、卵の粒からトロリと中身が溶け出し、ちょっと甘みも感じられます。
思わずニコニコ顔になった私を横目で見ていた先客殿もニヤリと笑っています。
よく見れば先客殿の前にもカクテルグラスが(笑)

「オススメ」を見ると”ブドウ海老”なるものがある。
どんなものか聞いてみたら、頭の部分がブドウのような色をした海老であるとのこと、早速その”ブドウ海老”と、このお店の名物である”厚岸産の牡蠣”を生でいただくことにしました。
Anpon23牡蠣は普通の養殖の大きいやつと、厚岸の漁協が特別に育てているブランド牡蠣”牡蠣えもん”の二種類があるとのことで、迷わず”牡蠣えもん”に、そしてお酒は”刈穂”を冷で。
”ぶどう海老”は上手な食べ方を女将さんに教えていただき(←普通の海老にも応用できそうだ。今度会社の飲み会で披露しよう)、頭の部分は炭火で焼いていただきました。
”牡蠣えもん”は何も付けずに食べたけれど、独特の甘みがあって実にウマイ。

あ~幸せ。

そうこうしているうちに、先客殿が女将さんにお酒の相談をしている。
会話の内容から、女将さんは日本酒に関しても詳しい(しかし決して客に押し付けはしない)人であるらしい。
そして登場したのは”鶴の友・純米”。
先客殿が「へぇ~初めて見たな。じゃぁコレ行ってみようかな。」と言っているので、
「それ、ウマイですよ、僕にも下さい。」とまずは冷でお願いした。

その頃になると奥の方に常連らしい一人客も加わり、女将さんが炭火で何かを焼き始めた。
聞けばホンモノのシシャモをオス・メス1尾ずつ焼いているとのこと。
シシャモもありがたいが、オス・メスで焼くというのがニクイねぇ~。
シシャモやハタハタのような魚は、オスとメスで味が違うのだ。

「”シシャモ”、僕にも下さい。」

ふぅ~、静かで落ち着いた良い店だ。
Anpon24常連客と女将さんの世間話などを聞きつつ、こちらはそろそろ〆かなということで、”柚子湯豆腐”と”鶴の友”をぬる燗でお願いしました。

しつこいようですが、私は湯豆腐を一人で落ち着いて食べられるお店が大好きなのです。
ついでに言いますと、柚子の香りも大好きなのです。

おいしい湯豆腐と鶴の友の燗酒。
たまんねぇなぁ~。こんな店が家の近所にあったらなぁ・・・。

後ろ髪を引かれる思いで外に出ると、温まった体に冷えきった外の空気が心地よい。
さて二軒目だ・・・。

2007年飲み屋集計(既存店は延べ軒数です)
既存店:居酒屋・・10
     Bar・・・・・13
     その他・・・8
新  規:居酒屋・・・8
     Bar・・・・・・4
     (↑行こうと思っていたお店が二軒とも満席で他の店に入ったがパッとせず)
     その他・・・2

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2007.02.27

めったに無い・・・。

Hikouki札幌出張です。

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2006.10.03

北海道のお土産

Miyageレンタカーで約1000kmを走破した北海道もついに日曜日に帰途につきました。
そしてその北海道で買ったお土産。
利尻の昆布、旭山動物園印の地ビール、とど、ひぐまの味噌漬け、そして定番「熊出没注意」のステッカー類。
この撮影の後空港で小樽のガラスの酒器を購入。
Lionその空港内の「銀座LION」で飲んだ生ビール(サッポロ)
やっぱウマイね、銀座LIONは。

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2006.10.02

釧路の夜:二軒目

C「挽歌」で癒されて元気が出てきたので、もう一軒行ってみることにしました。
いくのはもちろん、北見の「MASAKI」で教えていただいたお店、「C+MARKET」です。
電話で詳しい場所を教えていただいてたどり着くと、ついさっき開店したばかりとのこと。
釧路の夜は北見よりも更に遅いようです。
ジントニック”をお願いして一息つきます。
わりと広めの店内。
お酒はまんべんなく揃っている様子です。
このお店は「MASAKI」で教えていただいたことや、道中で食べた花咲蟹が美味しかったことなどを話しつつ、気持ちの良い時間が流れてていきます。
そして、

「何か変わったバーボンを。できればちょっと甘目ので。」

Samsykes_1とお願いしたところ、バックバーの下の扉付きの棚、普段は客から見えないところから、一本のボトルを取り出してくれました。
Sam Sykes”という名前の初めて見るお酒です。

「「MASAKI」のマスターにほとんど飲まれちゃったんですけど。」

と笑いながら出してくれたとっておきのボトルは、バーボンらしいラベルのイメージに反する、80PROOFの優しい口当たり。
樽香はあまりせず、果物系の風味がフワリと広がります。
高いのか安いのかわからないけれど、スイスイと飲めてしまいます。

港町釧路の夜、そして北海道最後の夜は、すばらしい二軒のお店に癒されたのでした。

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2006.10.01

釧路の夜:一軒目

Banka釧路市といえば名物は”炉端焼き”です。
しかしこの日は花咲港で遅めの昼食をとったため、夜になっても胃袋の方はかなり膨らんでいたのでした。
そのうえ長時間のドライブで体もクタクタ。
予想より華やいでいる釧路の繁華街をブラブラしながら、いろいろとお店を探しますが、どうしても炉端焼きか魚介類系が多い。

ん~、なんかこう、ちょこっと食べるだけのお店ってないかなぁ~。

そう思いながら歩き回ることしばし、狭い路地に「おでん」の提灯を見つけました。

あーコレだコレだ、おでんだ。
おでんというのはどんな店でもマズイということはないし、意外にその地方ならではのネタがあったりするから面白いのです。

ガラガラ・・・

「今夜は適当に済まそう」
そんな軽い考えで「挽歌」というお店の引き戸を開けて中に入った瞬間、私の視界に広がった景色・・・。

静かで狭い店内には年季の入ったL字型のカウンター。
カウンターの縁は客の袖や肘で丸く削れていて、年月を感じさせます。
カウンターの内側ではおでんが温められ、その隣にはもの凄く大きな鉄瓶が、炭火で温められています。
先客は無し。

いい店だ、すばらしくいい店だ。

さっそく”ビンビール”をお願いすると、優しそうなおばさんが注いでくれました。

おばさん「ご出張ですか?たいへんですねぇ。」

FUKAWA:「いやいや、後半は遊びみたいなものでして。」

”シラタキ””豆腐”そして地元産の細い”タケノコ”をお願いし、マッタリ。

聞けばこのお店は来年で50年にもなるとのこと。
太田和彦氏の本でも紹介されたとのことで、それを見てくる人も多いとか。

奥から、これまた優しそうなオヤジさん登場。

FUKAWA:「オヤジさん、お店の跡継ぎはいるの?」

オヤジさん「息子や孫は大勢いるんですけど、だれも店を継ぐ気は無くてね。」

FUKAWA:「それはもったいない。」

オヤジさん:「息子の中には、太田さんの本に出ているお店に飲みに行っているのもいるんですけどね。」

FUKAWA:「まず自分のオヤジの店を手伝うべきだよ、絶対。」

オヤジさん、おばさん:「ワハハハハ!」

あんなに疲れていたのに、良いお店で飲んでいたら調子が出てきたぞ、今夜はもう一軒行こう。

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北海道:美しい青とウマイ赤

北見市で一泊した後は、釧路市へと向かいます。
その途中で阿寒湖、屈斜路湖、摩周湖の湖めぐり。
紅葉の時期にはまだ早いということもあり、阿寒湖、屈斜路湖は正直言ってたいして見所もありませんでした。
そして最後の摩周湖
摩周湖は霧がかかることが多いと聞いていたのですが、この日の天気は晴れ。
道路からすぐの展望台に登ると、眼下にいきなりカルデラ湖の水面が広がります。
Masyuuko

感動
 
 

こんなに美しい”青”は見たことがありません。
この湖には生物がほとんど生息していないそうで、単に美しいだけでなく、神秘性もあわせもった”青”です。
湖の周囲は急峻な斜面で、水面までは容易に人間を寄せ付けないところも独特で、摩周湖というよりは”魔”周湖といった感じです。

摩周湖のあとは根室方面、花咲港へと向かいます。
目的は言うまでも無く”花咲蟹”です。
カーナビの案内に従い花咲港に到着したものの、港には特に市場のような施設が見当たりません。
Hanasaki1しばらく走って港の隅に見つけたのは数件の直売店。
店頭には花咲蟹が並んでいるものの、忙しい時間帯は過ぎていたためか、オヤジさんが店内でのんびりしています。

FUKAWA:「あの、これってここで食べられるんですか?」

オヤジ:「もちろんだよ、好きなの選んで!」

FUKAWA:「やっぱりメスがオススメですか?」

オヤジ:「うん、これなんか良さそうだな。」

で、オヤジさんにカニの解体方法を教えていただいて、雑然とした店内でかぶりつきます。
Hanasaki2

ウメェ、ウメェよっ!
 
 

新鮮だからでしょうか?身はプルッと飛び出るように出てきます。
身はもちろん、身と殻の間にある肌色のトロトロした膜みたいなのがこれまた絶品!
隅から隅まで、しゃぶり尽くすように食べまくります。
途中でオヤジさんと目があったので、

「満足」の笑顔を送ったら、根室産のサンマ焼きをサービスしてくれました。

年中出張していると、一年に一度くらい、忘れられない美しい景色や文化遺産、ウマイ食べ物に出会うものですが、この日はどちらも一度に経験することができたのでした。

幸せ。

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2006.09.29

札幌の夜・・最高。

Anpon1_1札幌初体験の今回。夜はススキノの居酒屋「あんぽん」に行きました。
ビルの狭い階段を三回まで上がったところにあるこのお店。
どこにでもありそうな、それでいて何か酒飲みの隠れ家的な雰囲気もかもし出しています。

店内に入るとカウンターには先客が数人。
皆さんカウンターで静かに、そして楽しそうにニコニコしながら飲んでいます。
銀髪の女将さんが、

「いらっしゃい。どうぞ。」

と席を示してくれました。

まずはビール(もちろんサッポロ)をお願いし、一息つきながらメニューを眺めます。
お刺身、煮魚、焼き魚、どれも地元北海道産の魚貝類を使ったメニューが多いようで楽しみ。
無難なところで”サンマ焼き”をお願いすると、

「魚は水温が低い方が脂が乗ってて美味しいのよ。このサンマは根室のだからとっても良いわよ。」

と女将さんが教えてくれました。

よく見れば日本酒もいろいろ置いてあるようです。
脂の乗った魚にはスッキリとした純米酒”加賀鳶”(←ココで出会うとは!)をお願いし、サンマに合わせてツー

ベースヒット!

そして最後はいよいよ、このお店の名物である牡蠣です。
厚岸産の牡蠣を”生”と”焼き”でお願いします。
Anpon2_1プルンプルンした”生牡蠣”は大きさもさることながら、身の歯応えも十分。
海の潮味と牡蠣の甘みがミックスされて、口の中はお花畑状態です。
そして”焼牡蠣”。
先ほどの牡蠣を焼くなんてもったいないような気もしますが、これがまたウマイ!
ひと口で全部ほおばっても火傷しない、絶妙な温かさに火の入った牡蠣からこぼれだすジューシーなエキス。
これほど日本酒に合うご馳走は他に無いのではないでしょうか。
気が付いたら”刈穂”の純米吟醸原酒・別枠をお願いしていました。

店内は女性三人(女将さんの娘さんとお孫さんだろうか?)で切り盛りしており、それぞれの息もぴったり。
美味しい料理とウマイ酒、そして良い仕事っぷり。
先客が皆さんニコニコ顔だった理由がわかったのでした。

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2006.09.27

北海道へ出張。

Susukino1ススキノ到着!
頑張るぞーっ!!

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2005.08.19

函館のその後は・・・。

kakuteru-10それにしても函館の”食”は最高です。
二軒目を出た時点では完全に満腹状態でもう動けない。
夜になり少し冷めてきた夏の風を浴びながら、公園らしきところでしばし休憩。
胃袋の中が落ち着いたところで、バーを探しにブラブラと・・・。

何軒かそれらしきお店があるのですが、多いのが「スタンド○○」というお店、単なる立ち飲み屋という感じでもなければ、昔ながらの立って飲むバーという感じでもなくて、結局謎のまま。
それとやはり多いのが「ダイニング&バー」という形態で、どちらかといえば料理がメインのお店です。
地方都市の場合は歩いている客の絶対数が少ないから、お酒だけ(=客が男ばかりになりがち)でお店を維持するのはキツイのかもしれませんね。
他にも「バー○○」というお店を見つけましたが、ドアの中からはカラオケの声が・・・。

よくわからないので結局事前に調べておいた二軒のお店を訪問。スタンダードなカクテルでシメたのでした。

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2005.08.18

函館の二軒目

ren3活イカに大満足したあとの二軒目は、焼き物のお店です。
写真のように古ぼけた外観がたまりません。
ここで注文したのは「鮭の白子」「シイタケ」「サンマ」です。
貫禄のあるおばちゃんが、
「白子は半生でも大丈夫?」
「サンマはワタ残す?取っちゃう?」
とツボをついた質問をしてくる。
もちろん
「半生でOK!、是非ともワタ有りで。」
と応じます。

鮭の白子というのは初めて食べましたが、クリーミーで激ウマ!
しかもデカイ。
サンマも脂がのっているうえに、やはり炭火で焼いているから最高の味。
おばちゃんも、
「毎日商売やっている私も、そのサンマだけは自分で食べたくなっちゃう。」
と本音コメント。

それにしても函館恐るべし。
食材が最高にして量が多い。
そして値段も安い。

煉瓦亭
函館市東雲町13-11
TEL:0138-23-3091

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