札幌、たこマンマに出会った夜
思いがけず二度目の札幌出張となりました。
新しいお店も開拓したいけれど、めったに来ることが出来ないだけに外れクジも引きたく無い。
というわけで向かったのは前回と同じ居酒屋”あんぽん”
お店に入ると銀髪の女将さんがカウンターの中から、
「どうぞ、どこでも、正面がいいかしらね。」
と案内してくれた。
前回来たときはけっこう賑わっていたけれど、今夜は先客が一人だけ。
静かに飲んでいる。
「んっと、ビール下さい。サッポロで。」
壁に貼られたメニューの短冊や、「本日のオススメ」などを眺めながらホッと一息。
暖冬とはいえやはり札幌の夜は寒い。年季の入ったカウンター、割烹着の女将さん、このお店の店内が暖かく感じるのは暖房のせいだけではないだろう。
「何になさいましょう。」と女将さん。
「それじゃぁ、”たこマンマ刺し”と”しめじバター”をお願いします。」
”たこマンマ刺し”というのは何だか分からないけれど、「タコならたぶんウマイだろう」と思って注文してみた。間もなくして登場したのはカクテルグラスに入ったトコロテンのような物体。私の頭の上に?マークが出ているのに気付いた女将さんが、
「たこマンマです。タコの卵でしてね、卵の形がご飯つぶみたいな形をしているから、港の人たちが”マンマ”と呼んでいるんですよ。」
と上品に説明してくれた。
へぇ~、最初から珍しいものが登場したぞ。早速ひと口・・・、ツルリ。
ウマァ!こりゃぁウマイ!
思ったほどプチプチ感は無く、卵の粒からトロリと中身が溶け出し、ちょっと甘みも感じられます。
思わずニコニコ顔になった私を横目で見ていた先客殿もニヤリと笑っています。
よく見れば先客殿の前にもカクテルグラスが(笑)
「オススメ」を見ると”ブドウ海老”なるものがある。
どんなものか聞いてみたら、頭の部分がブドウのような色をした海老であるとのこと、早速その”ブドウ海老”と、このお店の名物である”厚岸産の牡蠣”を生でいただくことにしました。牡蠣は普通の養殖の大きいやつと、厚岸の漁協が特別に育てているブランド牡蠣”牡蠣えもん”の二種類があるとのことで、迷わず”牡蠣えもん”に、そしてお酒は”刈穂”を冷で。
”ぶどう海老”は上手な食べ方を女将さんに教えていただき(←普通の海老にも応用できそうだ。今度会社の飲み会で披露しよう)、頭の部分は炭火で焼いていただきました。
”牡蠣えもん”は何も付けずに食べたけれど、独特の甘みがあって実にウマイ。
あ~幸せ。
そうこうしているうちに、先客殿が女将さんにお酒の相談をしている。
会話の内容から、女将さんは日本酒に関しても詳しい(しかし決して客に押し付けはしない)人であるらしい。
そして登場したのは”鶴の友・純米”。
先客殿が「へぇ~初めて見たな。じゃぁコレ行ってみようかな。」と言っているので、
「それ、ウマイですよ、僕にも下さい。」とまずは冷でお願いした。
その頃になると奥の方に常連らしい一人客も加わり、女将さんが炭火で何かを焼き始めた。
聞けばホンモノのシシャモをオス・メス1尾ずつ焼いているとのこと。
シシャモもありがたいが、オス・メスで焼くというのがニクイねぇ~。
シシャモやハタハタのような魚は、オスとメスで味が違うのだ。
「”シシャモ”、僕にも下さい。」
ふぅ~、静かで落ち着いた良い店だ。常連客と女将さんの世間話などを聞きつつ、こちらはそろそろ〆かなということで、”柚子湯豆腐”と”鶴の友”をぬる燗でお願いしました。
しつこいようですが、私は湯豆腐を一人で落ち着いて食べられるお店が大好きなのです。
ついでに言いますと、柚子の香りも大好きなのです。
おいしい湯豆腐と鶴の友の燗酒。
たまんねぇなぁ~。こんな店が家の近所にあったらなぁ・・・。
後ろ髪を引かれる思いで外に出ると、温まった体に冷えきった外の空気が心地よい。
さて二軒目だ・・・。
2007年飲み屋集計(既存店は延べ軒数です)
既存店:居酒屋・・10
Bar・・・・・13
その他・・・8
新 規:居酒屋・・・8
Bar・・・・・・4
(↑行こうと思っていたお店が二軒とも満席で他の店に入ったがパッとせず)
その他・・・2
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