2007.10.17

山手線シリーズ:新大久保駅

Yamanote16なかなか進まない山手線シリーズですが、昨夜は新大久保へと行って来ました。
夕刻、新大久保の駅を出るとそこは完全なコリアンタウンです。
日本語よりそれ以外の言葉の方が圧倒的に耳に入ってきます。
今夜は友人のN氏・H氏と待ち合わせ。しかし集合時間にはまだ時間があるので、

「立ち飲み屋で時間をつぶすか・・・」

と、駅の周りを少し歩いてみました。ところが駅周辺には立ち飲み屋らしき店は一軒もなし。
かなりの人通りがあるにもかかわらずそういう簡単なお店が無いということはちょっと以外です。
そこで古くからありそうな居酒屋に入りましたが、店内は雑然としているし、ビールもイマイチ冷えておらず、ガッカリしながら30分ほどで退出。
ちょうど時間になったのでH氏と合流してお目当てのお店へと向かいます。

Photo今回行ったお店は、「昔のふる里」という韓国料理のお店です。
事前に電話をしたところ、お店への道順の説明が非常に丁寧で好感が持てました。
実際お店は大久保通りから暗~い路地へ入ったところにあり、しっかりと場所が分かっていないと路地に足を踏み入れる段階で躊躇しそうです。
で、なぜこのお店に来たかといいますと、ここでは「犬料理」を食べることができるのです。
世界の食文化に敬意を示すことを常とする私としては、まずは会社の同僚に声をかけてみました。
しかし「犬料理」と聞いて、誰もが露骨に嫌な顔をして足早に去っていきました。
そこでN氏とH氏に声をかけてみたところ、二人とも二つ返事で(それもどうかと思うが)やってきたというワケです。
「昔のふる里」の店内は明るく、お店の壁には芸能人のサインや、紹介された雑誌のコピーなどがかなりたくさん貼ってあります。

「へぇ~、けっこう紹介されてるんだぁ・・・」

しかしよく見ると、雑誌の多くはいわゆるグルメ雑誌ではなく、どちらかと言えばキワモノ系の雑誌ばかりです。
まずはH氏と二人でユッケなどの普通の韓国料理を注文し、少々遅れるというN氏を待ちます。
程なくしてN氏が到着したので、いよいよ”犬鍋”こと”補身湯”を注文します。
ちなみに”補身湯”は(小)が\5,000-で、(大)が\10,000-です。ちょっと高いかなと思ったら、(小)でも2~3人前で、前菜的なツマミも5種類程セットになるとのことで納得。
Photo_2そして登場した”補身湯”。

オオッ!思ったより肉がデカイ!そして多い!

珍味的な料理って、肝心のネタがちょこっとしか入っていなくてガッカリするケースがあるけれど、このお店の”補身湯”はあきらかに”犬肉中心”です。

まずはスープを味わってみます。当然辛いわけですが、口にした瞬間はそうでもなくて、飲み下したあとから湧き上がってくる感じです。そして犬鍋ならではの?何か複雑な風味が感じられます。
お店の人に肉を食べるタイミングを訪ねたところ、

「下茹でしてあるので、野菜が柔らかくなったら食べられます。」

とのこと。野菜というのは大量に入れられたニラと、飾りの意味もありそうな葉っぱです。
葉っぱがシナシナになったところでいよいよ犬の肉を摘みます。
これが意外に厚切りで、しかもプルプルした脂身?みたいな部分も付いています。
予想に反して食感はやわらかく、味もオイシイ。
犬ということで何かこうパサパサした肉かと思っていましたが、ぜんぜん違います。
やわらかいので歯応えのあるニラとの相性も良い感じです。

「それにしてもこんなデカイ肉がとれるなんて、どういう種類の犬なんだろう?」
「韓国では養殖しているらしいよ。」
「そもそもどこでさばいているんだろう?」

とか話していたら、店の裏のほうから犬の鳴き声が・・・(多分近所の飼い犬が吼えただけでしょうが・・・)

Photo_3そんな犬の鳴き声をBGMに、最後に”ご飯”を頼んで鍋に投入。勝手に作った”犬おじや”を食べて〆たのでした。

こういうキワモノ系は、「ふぅ~ん、こういうものか、ナルホドね。」ということで終ってしまうことが多いと思うのですが、この”補身湯”はかなりイケる料理です。
スープの辛さも絶妙で、次第にビールが甘く感じてきました。
滋養強壮に効くとのことですが、確かに何かこう即効でパワーがみなぎってくる感じです。

同行者さえ見つかればぜひまた食べに来たいというのが正直な感想です。

2007年酒飲み集計
◆既存店:居酒屋・・53
       Bar・・・・・66
       その他・・29
※既存店は延べ軒数です。

◆新  規:居酒屋・・33
       Bar・・・・・17
       その他・・13

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2007.04.26

山手線シリーズ:浜松町駅

Yamanote15なかなかペースの上がらない「山手線シリーズ」ですが、やっと半分を超えました。
先日行ってきたのは浜松町駅です。
 

Meisyu1実はまじめに仕事をするために歩いていたら、ビルの谷間に「名酒センター」なる看板を見つけたのです。
早速入ってみると、その名の通り日本酒専門の酒販店ですが、売り場スペースの真ん中にはテーブルがあり、試飲もできるようです。
お店の人に尋ねてみたら、夜は立ち飲みスタイルでの営業になるとか。
立ち飲みは好きではないけれど、知らないお酒がたくさんあるので、数日後の夕方、早速訪問してみました。
既に先客が数人、慣れた立ち姿で飲み始めています。
普通はまず試飲用のグラスに日本酒を三種類選ぶ”利き酒セット”から入るようです。
壁面全体をに設置された棚から好みのお酒を選び、もちろん都度会計。

「ふ~ん、知らないお酒がずいぶんある。っていうか知らないのばっかりだ(嬉)」

Meisyu2とりあえず最初の”セット”は知っている”黒牛”と、初めて飲む””、どこかで見たような気がする”天領誉”を選択。
 
 
 
 

Meisyu3各お酒には札が掛かっていて、試飲・一升瓶での値段や純米・吟醸などの種類やグレート、酒米の種類などが一目で分かるようになっています。従って同じ産地で飲み比べたり、酒米で飲み比べたりといったことも可能です。

ツマミもちょこちょこっとしたものがあり、なかなかヨロシイ雰囲気です。
客層は近所のオッサン・サラリーマンばかりかと思いきや、意外にも常連風の女性が一人で(やるじゃん!)飲んでいたり、二十代後半の若者がにごり酒ばかりを”セット”にしていたりと、なかなかバラエティーに富んでいます。

こういった日本酒専門のお店というのは、えてして店の人がウルサくて、やれ飲む順番がどうだとか、燗にするのはダメだとか口を挟んでくることが多いのですが、ここはそんなこともありません。
「好きなものをご自由に」という雰囲気です(もちろん相談すれば応じてくれる)

隅の方にはストーブの上で温められたお湯と、徳利や温度計が。
燗酒でも「ご自由に」ということです。

迷わず”黒牛”をぬる間にして、煮魚などをツマミます。

Meisyu4最後にもう一度”利き酒セット
今度は全部初めて飲む”青雲”と”磯松”そして完全にラベルで選んだ?”痴虫”という群馬県のお酒です。
(意外にも”痴虫”が一番グッときました)

特別に高いお酒があるというわけでもないのですが、”十四代”や”醸し人九平次”などの美しすぎるお酒はもう卒業したというような人には、オススメのお店なのでした。

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2007.03.06

山手線シリーズ:恵比寿駅

Yamanote14山手線シリーズの14駅目。今回は恵比寿駅です。
恵比寿といえば有名な居酒屋が何軒かあるようですが、あえてそういったお店は避けたいと思い、実は以前一度下見を行なっていたのです。
しかし駅から駒沢通りを登っていく方向にはコレといったお店は発見できませんでした。

そこで昨夜は駅前に発見したBarに入って、そこで情報を引き出そうという作戦です。

駅前という立地や、店の前に出ているあまり立派ではない(失礼!)A看板から想像して、
「たいしたお店ではないかな~、すぐ出るならかえって都合が良いけど・・・」
と思いつつ地下一階へ。
そのお店はBar「オーディン

ギッ(と扉を開けると・・・)

オオッ!これは良い雰囲気。

高い天井からは薄暗い照明。重厚なカウンターの上はスッキリと片付けられ、落ち着き払った若いバーテンダーが迎えてくれました。
席に着くとカウンターの奥行きもかなりあり、全体としてゆったりとしたスペースです。

当たりだ。

6時を過ぎたばかりだというのに、すでに常連風が二人静かに飲んでいます。

私:「ジン・トニックをお願いします。」

バックバーには巨大なスピーカーや、古ぼけたボトルが鎮座しています。
しばらくして供されたジン・トニックからは、実に爽やかなライムの香りが立ち昇ります。
そういえば通りに出ていたA看板に、フレッシュフルーツにこだわっているようなことが書いてあったな・・・。
二杯目は”ホワイト・レディ”これもキリリと締まった中からライムの果汁の味が流れ出してオイシイ。
そのうちに奥に座っていた常連風が、バーテンダーに「あとでもう一度来るかも。」というようなことを告げて出て行きました。

私:「この辺りにはこういう感じのお店は何軒かあるんですか?」
バ:「そうですね、ウチと同じような感じのお店ですと、すぐ近くにもう一軒あります。あとはもう少しカジュアルな感じのお店とか、お食事もできるお店が多いですね。」

三杯目は”マンハッタン”をオーダー。
空きっ腹にいきなりカクテルだからさすがにちょっといい気分になってきました。
再訪間違いなしと確信し、バーテンダー氏にもう一軒のお店の場所を教えてもらいます。

Epそして二軒目は「BAR Epilogue
控えめな看板と半地下という立地から、ちょっと見つけにくいお店です。
扉を開けて入ってみると、こちらもしっかりとしたBARの雰囲気。
立派なカウンターの向こうでは、若い男女のバーテンダーが働いています。

まずは”ジン・トニック”。
こちらはライムがグラスの底に位置するタイプで出てきました。
半地下の空間に、強くなった雨の音が少しだけ届きます。
二杯目は”マルガリータ”少し刺激の強い塩が、グラスの縁の半周だけに付けてあります。
BARというのは狭い方が、いわゆる隠れ家的な雰囲気が出て楽しいのですが、このお店のような広いお店も意外にくつろぐことが出来ます。
まだまだこの静かな雰囲気に浸りたいところですが、酔いが回ってきた。
三杯目にお願いした”グラスホッパー”を飲み干して、恵比寿の街を後にしたのでした。

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2006.11.06

山手線シリーズ:新宿駅

Yamanote13長らく休んでいた「山手線シリーズ」ですが、ボチボチと再開します。
「今年中に全ての駅を」と思って始めたのですが、意外に苦戦し、まぁ今年中はムリかなぁ・・・。

で、今回降りたのは新宿駅です。
新宿という駅はとにかくバカデカイのです。
ウッカリ出口を間違えたりすると、目的地までかなり歩くことになるので注意が必要です。
そして新宿という街はなんとなくダラダラしています。
いわゆる若者の街でもあるし、ビジネス街でもある。
チェーン店ばかりかと思うと、ゴールデン街のようなディープな飲み屋街もある。
ただ、大きく分けると西口がビジネス街、東口が若者系といったところでしょうか。

今回向かったのは西口にある”稲穂”というお店です。
「郷土料理と地酒の店」ということで期待が持てます。
エレベーターで狭いビルの二階に上がると、お店の入り口の縄暖簾をくぐります。
店主に

「一人」

と告げてカウンター席に。

メニューはあまり多くありませんが、とりあえず”ビール”と”ナス揚げ”、それから「本日のオススメ」とある”タコ刺し”をオーダー。

グビリ、グビリ、

ビールを飲みながら「お酒のメニュー」を眺めます。

ほぉ~。

広げたメニューには全国のお酒がまんべんなく並んでいます。
”黒龍”や”八海山”などの見慣れたお酒もあれば、四国、山陰、九州のお酒もある。
「燗にしてもウマい」「このキレがなんとも」など、店主の短いコメントも押し付けがましくないし、よく出てくるお酒もメニューに載っているから、比較対象に出来て良い。
妙な「幻の酒」を置いて威張っているお店よりも、純米吟醸あたりまでのお酒をたくさん飲ませてくれるお店の方がありがたいのだ。

「フムフム、これは楽しみだナ。それにしても”タコ刺し”遅いなぁ・・・。」

と思っていたら、半透明な見事な生のタコ刺しが登場。
料理もなかなかだ。

ビールが終わったので、”庭のうぐいす・特別純米
を注文。
この福岡県のお酒は、コロコロと転がるように喉を落ちてゆく。
しばらく口に含んだり、一気に飲み込んだり、背筋を伸ばしたり丸めたり。
いろんな飲み方をして一人で楽しんでしまいます。

Inahoそして次は”栃尾揚げ焼き”と(すぐ来そうな)”自家製塩辛”、お酒は”黒牛”を注文。
出てきた”自家製塩辛”は一風変わった見た目ですが、これが実にウマイ!
ヌルヌルした普通の塩辛とは全く違う食感。
これだけお土産に包んで欲しいくらいです。
初めて飲んだ和歌山の”黒牛・純米吟醸”これがまたウマイ!
やわらかな旨みが舌の上をスルリと通り抜け、今日一日のいろいろなことをサッと流してくれる。
「米から造った!」という濃さもある。
今年飲んだ日本酒(冷)の中では”鯉川”、”酒一筋”、”高砂”、”るみこの酒”と並んで五本指に入るウマさです。

関東以北では中部地方や山陰のお酒は見かける機会が少ないだけに、比較的リーズナブルな価格でいろいろなお酒を楽しめる(燗も有りで)貴重なお店です。
これで店長にもう少し愛想があれば通っちゃうのになぁ・・・。

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2006.06.12

山手線シリーズ:大塚駅

Yamanote12山手線シリーズの12駅目。
今回は大塚駅です。
実は以前、大塚のお客さんを担当していたということもあり、大塚駅前には土地勘があるのです。
で、お店は通りに面している老舗居酒屋「E」(仮名)。
実は大塚のお客さんに行くたびに、そのオーラを感じて、
「きっとこのお店は良いお店にちがいない。」
と思っていたのですが、残念ながらいつも昼間。
ところが最近になりそのお店に関する情報が入り、どうも私の勘は外れていないようだということがわかりました。

そのお店「E」は威風堂々とした店構え。
ガラガラ・・・と引き戸を開けてはいると、女性店員さんがサッとカウンターに案内してくれます。
店内はコの字型のカウンターのみで、だいたい20席くらいです。
時刻は20:00。お店の混雑も一段落した時間帯といったところでしょうか。
カウンターに座る客の年齢層は高目で、いわゆる”地元のベテラン風”の方達ばかりです。
店内にはテレビやBGMは一切なし。
皆さん静かに飲んでいらっしゃいます。

正面奥にツマミ類が書かれた札が下がっており、お酒はメニューがカウンターの上に出されました。

「えっと、”鶴の友”本醸造を温燗で、あと”久里浜のタコ”をお願いします。」

鶴の友”このお酒こそ私が最初に日本酒に目覚めたお酒です。
それ以来なかなかお目にかかれなかったのですが、このお店に来た理由の一つはこの”鶴の友”が置いてあると聞いたからです。

しばらくして登場した温燗は、徳利の注ぎ口の部分がやや突き出た、注ぎやすい形状。
味の方も思い出を裏切らないスバラシイ燗具合。
やはりちゃんとしたお燗係りの店員さんがいるお店は違います。

こういうお店はサッと注文してサッと帰るのが流儀と思いきや、お隣で飲んでいる常連さんは徳利を8本も並べています。
カウンターの奥のお父さんも、根が生えたように身じろぎもせずに飲んでいます。

ふと見ると、コの字型のカウンターの内側は板張り。
その板張りが見事に清潔に磨かれていて、昔の木造校舎の床を思い出させます。

「”鶴の友”、同じのと、”青柳”下さい。」

”青柳”はこれで品切れらしく、札が外されました。
居酒屋で何か注文すると、「それ終わっちゃったんです。」と言われて残念な思いをすることがありますが、さすがに老舗はこういう細かいところがシッカリとしているのものです。

刺身類に添えられている”ツマ”の大根は自家製だそうで、もちろん完食させていただきました。
最後に、

「”鶴の友”純米を温燗で、あと”メバルの煮付け”をお願いします。」

そう注文すると、隣の常連さんは9本目を飲み終えて帰るところ。
白髪の女将さんがソロバンでお勘定をしながら。

「気をつけて帰るんだよ。」

と声を掛けています。

こんな女将さんに褒められたいと思い、いつも以上に気合を入れて”メバルの煮付け”をキレイに食べたのですが、まだまだ甘かったようで、特に注目はされませんでした。

凛とした空気と大衆的な温かさ、その両方を兼ね備えた名店「E」
ぜひともまた行きたい、いや必ず行ってしまうお店です。

※メニューに「携帯での撮影やホームページへの掲載はお断りします。」と書かれていたのであえて店名は伏せます。でもコチラの本を読んでいただくと、店名も場所もシッカリ分かります。

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2006.06.07

山手線シリーズ:田端駅

Yamanote11山手線シリーズの11駅目。
今回は田端駅前に行ってきました。
田端という駅には私は一度も降りたことが無く、いったいどのような街なのかもぜんぜん分からない状態。
とりあえず情報全く無しでのアタックです。
駅を降りると大きな越線橋が架かっており、しばし考えた後、その一方の端へと向かいます。
付近はマンションが立ち並び、駅前特有のにぎやかさがありません。

アチャー!反対側が正解だったかな?

と思いつつも、遠距離通勤の身としてはやり直している時間も無く、とりあえず周囲を探索することとしました。
控えめな商店街に数軒の居酒屋を発見したものの、どうもいまひとつパッとしません。
他に寿司屋、蕎麦屋、中華などもありますが、店頭に賑わいが感じられません。

”良い店は立地条件の悪いところに有り”

の法則にしたがって駅から離れる方向に歩いてみましたが、やはりコレといった店も無し。
仕方がないので、行きとは別の道で駅の方に戻ってくると、先ほどよりはマシな商店街に出ました。

この時期はお店の入口の戸が開け放たれているお店も多く、店内の様子が良く分かるので、新規開拓はしやすい季節です。
酒販店の一画に設けられたいい感じの立ち飲み屋とか、ウマそうな魚介料理の店がありましたが、18:00というのにどちらも既に満席。
特に魚介料理のお店のほうは、周囲の人通りから考えると異常な混雑です。
お客さんの年齢層はやや高めで、多分近所の商店街の店主のオッサンとかが、店を閉めて早速集まっている感じです。

やっぱ自営業の人はスタート早いなぁ~

と感心しつつも、とりあえずこちらも店を見つけて腹ごしらえをしないとどうにもなりません。
結果として一軒の古そうな居酒屋に入りましたが、やはりご近所さんが数人で飲んでいます。
お店の人は見慣れない客に戸惑った様子でぎこちがない動き。
出てきた”マグロのブツ”は中の方が凍っている・・・。

何とかしてあの魚介料理のお店に入りたいけれど、あの繁盛の仕方だとオープンと同時に入店しないとキツイのかも。
全くの不完全燃焼に終った田端なのでした。

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2006.05.30

山手線シリーズ:中間報告

Houhai山手線シリーズも三分の一を終え、ここでちょっと振り返ってみたいと思います。
まず、既に終了したのは10駅で、当初思っていたよりもペースは遅れています。
都内の29駅くらい半年で周れるかと思っていたのですが、始まってみると東北に出張する機会が多く、都内のお店に寄れるときは行きつけのお店にも定期訪問してしまうので、なかなか新規開拓の時間がありません。
そんななかで訪問したお店の内訳は、
居酒屋が6軒
バーが3軒
焼き鳥屋が2軒
蕎麦屋が1軒
ラーメン屋が1軒
です。

特に印象に残っているのは、有楽町の居酒屋「三州屋」。
銀座の片隅の居酒屋で繰り広げられる人生模様が味わい深かった。
それと高田馬場の蕎麦屋「もり」。
昼間から飲んで、満開の桜の下を帰るときの気分は最高でした。
鶯谷の「鍵屋」も最高。
大人はこういうところで飲むものだと勉強になりました。

なんとなく秋葉原から池袋経由で新宿に向かうコースが多くなっていますが、これは日ごろの私の行動エリアが大きく影響しています。
やはりある程度お店に関する情報があったり、地理がわかっているところから攻めるのは常道でしょう。

全く情報がないエリアでの開拓も行いましたが、それはそれで何ともいえないワクワク感がありました。
知らない街で知らない飲み屋に一人で入る。それはちょっとした冒険気分です。
これから大崎、五反田、渋谷、原宿など縁もゆかりもないエリアに挑戦すると思うと、今から楽しみです。

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2006.05.28

山手線シリーズ:神田駅:その2

失敗に終わった一軒目のあと、

とりあえずラーメンでも食って帰るか~。

と思い適当なラーメン屋へ、そこで生ビール片手にラーメンを食べていると、ポケットのケータイが鳴りました。
いつもは飲んでいるときに会社のケータイには出ないのですが、電話は私にとって飲み食いの師匠でもあるお客さんから。
一旦店の外に出てしばらく話していると、今までいたラーメン屋の正面に、一升瓶を何本も並べているお店を発見。
よく見れば看板に”そば・銘酒処”と書いてあるではありませんか。
即座にラーメンを平らげ、そのお店に入ります。

「一人なんですけど」
と店主らしき人に告げると、

「お酒飲みますか?それじゃこちらへどうぞ。」
と、奥の席へ案内してくれました。
メニューを見てビックリ。

見たこともないお酒がいくつも並んでいます。
その中から店主オススメの”玉笹”と、ツマミは”板ワサ”をオーダー。
初めて飲んだ”玉笹”は山梨のお酒で、爽やかな香りにシッカリとしたコク。
私好みのお酒です。
店主いわく、普通ではお目にかかれないお酒を中心に提供しているとのこと。
続いて”玉子焼き”をオーダーし、お酒は何にしようか悩んでいると、

「どうぞこちらでご覧下さい。」
と冷蔵庫の前へ案内してくれました。
冷蔵庫の中を良く見る暇もなく一目で、
「コレ」
と選んだのは”悦凱陣
久々だな~、このスッキリとした口当たりと深い旨み。
このお酒を飲むと行ったことも無いのに香川県を好きになってしまう。

コレだよなぁ~、コレ。

この夜はラーメン屋の後だけに蕎麦は頼まなかったけれど、次回はぜひ試してみたい、できれば昼間から飲みたい。

そう思いながら帰り際に、

「もう一度見せて下さい。」

と冷蔵庫を覗くと、店主が、

「悦凱陣がお好きでしたら、次回はコレなんか・・・」

と指差すと同時に、私も同じお酒を指差しました。

東洋美人”です。

あ~、良い店だ。

「今度また勉強させてください。」

そう言い残して気分良く神田を後にしたのでした。

ちなみにいただいた名刺にはお店のHPのアドレスが記載されていました。
日本酒のメニューに改めてオドロキです。

そば・銘酒処 むら治
http://murajiya.hp.infoseek.co.jp/

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2006.05.27

山手線シリーズ:神田駅:その1

Yamanote10山手線シリーズ10駅目。今回は神田駅です。
神田駅といえば秋葉原の隣の駅、しかも飲み屋街としても栄えています。
ところが私はどうもこの神田駅が苦手で、足が遠のいていました。
何が苦手かといいますと、JRと通りが斜めに交差していて、道に迷いやすいのです。
客もお店も多いので当然いろいろなところで話題になっているお店も多く、一度ならず足を運んだのですが、いつも道に迷ってしまい、結局お店にたどり着けなかったり、たどり着いても満席だったりと、どうも良い思い出がないのです。
(単なる方向オンチじゃん!)

そこでたまには事前情報なしてブラブラとお店を探してみようと思い、駅周辺を探索してみました。
しばらく歩いていると見覚えのある看板を発見しました。
十年近く前、私が日本酒に二回目に目覚めたお店、秋葉原の某店と同じ看板です。
その某店は和食と日本酒のお店で、お値段はちょっと高めでもそれなりの素材とお酒が供される。若手が先輩に連れて行ってもらうにはちょうど良いお店でした。
最初は社長と妹さんで切り盛りしていましたが、その後支店を三軒も出し、最盛期には社長が、
「今度ビルを建てようと思ってる。」
と元気が良かった。
一時はほとんど毎日会社の誰かが行っていたのに、その後の不景気もあってか、だんだんと足が遠のいていったのでした。

そのお店と同じ看板を発見したものの、居酒屋としては比較的ありがちな店名に、「はたしてあのお店の支店だろうか?」と若干不安げに入店。

早い時間帯ということもあり、カウンターには誰も座っていません。

で、いきなり結論。

お店においてあるパンフで、このお店が秋葉原の某店の支店であることがわかったものの、同時に全盛期の支店は全てなくなっていることがわかりました。

比較的最近オープンしたらしい神田のこのお店も、素材や包丁は確かなものがあったが、いかんせん接客がダメ。

ガラガラのカウンターで、老店員は最初の客を入り口に一番近い席に案内する。
そしてお通しも出ないうちからオーダーを取りに来る。
若手店員は客から見えるところでイチャイチャ。
中堅店員も客の目が届くところで無駄話。
先ほどの老店員は、(良かれと思ってだろうけど)店の外で大声で呼び込みを始める。

オレがもう少し一丁前の飲み手だったら、神田支店を出たその足で秋葉原の本店に行って、T社長に状況を説明してやりたかった。

本店が思い出のお店だけに悲しかった。

満足できないので次の店につづく。

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2006.05.02

山手線シリーズ:新橋駅

Yamanote9山手線シリーズの9駅目。
今回は新橋駅です。
新橋と言えば酒飲みのオジサンたちのメッカともいえる場所なのですが、私自信は今まであまり飲みに行ったことの無いエリアです。
いったいどんな飲み屋街が形成されているのでしょうか???

駅を降りると早速、立ち飲み屋や大衆酒場がひしめいています。
新橋という土地柄に合わせてか、妙に「わざと大衆酒場っぽくしている」店も目に付きます。
比較的良さそうな雰囲気を漂わせているのは、郷土料理を売り物にした居酒屋。
中には「蔵元直営」という看板を掲げているお店もあって心を惹かれます。

しかしながら今回訪問したのはバーです。

新橋と言えば銀座の隣り、しかも狙いを定めたのは、都内某老舗バーの息子さんがやられているお店で、ネット上の評判をチェックしても、新橋エリアではトップクラスの評価を得ているようです。

階段を上りドアを開けると、そこには短い通路が、そしてカウンターです。
驚いたのは店内もバックバーの棚の造りも、お父様のお店とそっくりに造ってあることです。
しかしお父様のお店と比較すると、さすがに雰囲気の重厚さはいくらか和らいでいて、初めてでもなじみやすい感じです。

老舗”E”に気軽に入れる感じ、これは良い発見かも・・・。

そう思いながら”ジントニック”をオーダー。
果汁の味が強い、独特な味です。
マスターの動きはキビキビしていて気持ちが良い。

続いて”マティーニ”をオーダー。
これはジン(ゴードン)のパンチが強い、しかしどこかベルモットとの統一感にかけるような・・・。

しばらく間をおいて、最後にオーダーしたのは”サイドカー”。
これも何か小さくまとまっている感じで・・・。

料金的にはずいぶんと低価格だったのですが、どうしてもお父様の作るカクテルと比べてしまいます。
価格帯が違っているということは重々承知だし、目指すお店のスタイルも違うのかもしれません。
しかし内装を同じにされると、どうしても比較してしまうよなぁ~。

少しだけ期待はずれな新橋の夜だったのでした。

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